無期雇用派遣サービス「ミラエール」とは 若年層が活躍する事務職派遣の新たなカタチ
「人材派遣業界では、これまで無期雇用の事務職未経験者を対象とした育成・キャリア支援のスキームは存在しませんでした。しかし、当社の『技術者』派遣では、もともと育成・キャリア支援のスキームについて高い優位性を持っており、それが当たり前となっていました。われわれはこうした『技術者』の育成・キャリア支援のスキームノウハウを事務職に転用することで、迅速な事業立ち上げを実現し、大きな優位性を生むことができています」(平井氏、以下同)。
「ミラエール」を構成する社員の中心は20代の女性である。平均年齢は25歳であり、うち半分がサービス業の経験者、もう半分が大卒総合職の経験者となっている。仕事に対するモチベーション、成長意欲といったポテンシャルを面接やSPIで可視化・定量化し、それを基準として人材を採用している。採用後、首都圏エリアでは1人のミラエール社員に対して、担当営業とカウンセラーの2人をつけてきめ細かなフォローアップを行う。
「派遣先の決定に際しては、SPI結果の分析をしたマッチング担当と、派遣先企業の社風や業務内容を熟知した担当営業が意見交換し、より精度の高いマッチングを実現しています。入社前研修ではコピー機の使い方など事務職入門的な研修のほか、入社後3カ月、1年、2年という節目で研修を実施しています」
さらに、無料ビジネススクールとして、30種類の講義を月に約130コマ用意。一般事務から経理事務などにランクアップを目指すなど、就業後にスキルアップのサポートをするスキームを備えている点も特徴的だ。こうした集合研修と個人フォローを重点的に行うほか、派遣先企業にも加わってもらった年一回の実績評価を実施している。
「時給制の登録型派遣と異なり、月給制であることもミラエールを選ぶ理由の一つです。さらにミラエールでは、無期雇用という安定感があることも大きく支持されている理由だと考えています。また、これまで登録型派遣では当社、派遣先企業、ミラエール社員の三者間で、業務やヒューマンスキルの目標を定めて、それに対する評価を行う仕組みはありませんでした。しかし、技術者派遣では一般的であり、事務職でも同様の評価スキームを設けることで、成長意欲を向上させています。実績に対する昇給もあるため、ミラエール社員はモチベーションが高く、自ら仕事に向かっていく力やコミュニケーション能力も高いと考えています」。
実際、派遣先から高評価を得て、社員として採用されるケースが100人以上も出ている。当然、スタッフサービスを退職して派遣先の社員になるわけだが、「それは、ある意味、ミラエールが評価されている証拠でもあり、われわれにとっても喜ぶべき事例だと考えています」と平井氏は自信を見せる。
成長意欲のある若年層が企業の成長に貢献
現在、スタッフサービスでは「ミラエール」社員を、年間で約1000人採用している。一見、気づかないかもしれないが、実はキャリアの浅い求職者を大量に無期雇用している派遣会社はそう多くはない。現在のミラエール社員がサービス開始から2年半で、2600人超になるという数字を見れば、「ミラエール」がクライアント企業と若年層の両方のリクエストにいかに応えているかがよくわかるだろう。現在では転職組だけでなく、新卒にも枠を拡げ、2018年度までに5000人の採用を目指すという。
「登録型事務派遣のスタッフの平均年齢は、10年前は30歳でしたが、現在では40歳と高まっています。しかも、これまで多くの企業では一般職の採用を絞ってきたため、いまは主任クラスの事務職正社員の方よりも、派遣スタッフのほうが年上となるケースも増えています。その点、ミラエールがキャリアの浅い若年層女性が中心であること、さらに政府が提唱する働き方改革が進む中で、多くの企業の新たなニーズを吸収できていることが大きな特徴となっているのです」
このように「ミラエール」は、成長意欲の高い若年層が企業に活力をもたらすだけでなく、企業の成長にも貢献できるサービスとなっている。さらにスタッフサービスは全国展開しているため、首都圏だけでなく、地域拠点などでもミラエールのサービスを活用できることも大きなメリットだと言えるだろう。平井氏もこう強調する。
「日本が人口減少する中、2025年までに労働人口も約180万人減少するという試算も出ています。事務職の求職者も今後、さらに枯渇が進んでいくと思われます。当社も女性を中心として、さまざまな働き方ができるような雇用機会の創出を続けたいと思っています」。
企業にとって、人材戦略はこれからの将来を左右する大きな経営課題の一つとなっている。その意味でも、「ミラエール」の活用は人材問題を解決するための一つの重要なサポートツールになると言えるだろう。