山形から世界へ飛翔
次代を担うグローバルリーダーを育てる
山形大学 フロンティア有機材料システム創成フレックス大学院

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山形大学のこのプログラムは企業と連携しているのも特長の一つで、複数の企業の現役ビジネスパーソンが産学連携教授となっている。宮保氏もそうした連携教授の一人だ。

「フレックス大学院に入るための選抜試験では連携教授の方々を必ず面接に加えています。企業人の目線でグローバルに活躍できる資質を持った人材かどうかを、非常に鋭く判断していただいています。さらに、今年度からは企業メンターとして学生の相談などにも対応していただいています。皆さん、非常に熱心に取り組まれ、学生教育の大きな力になっていただいています」(東原氏)

前出の宮保氏は、海外出張したときに、ドイツでインターンシップ中の3人の学生に、休日を利用してわざわざ会いに行ったという。「グローバルに活躍する人材を育てるには、企業の力も必要です。私が学生のときには、こういうプログラムはありませんでした。もしあったらきっと私も入っていたでしょう。こういう取り組みに企業が協力するのは当たり前のことですよ」(宮保氏)

こうしたカリキュラムをすべてクリアし、最後に学位論文審査などをパスしてようやくフレックス大学院を修了したことが付記された博士号を取得できるのである。

どこへ行っても通用する人材になる

アルケマ日本法人 副社長
宮保 淳

山形大学の工学部は、有機エレクトロニクスの研究拠点として、国内はもとより海外でも広く知られている。そうした基盤の上に、有機材料に特化したオンリーワン型のプログラムを組んだことに、フレックス大学院が高く評価されるようになった一因がある。文科省の博士課程教育リーディングプログラムは、7年間の期間限定なので、山形大学のフレックス大学院も19年には終了することになる。しかし山形大学は、本プログラムを独自の形で継続・定着・発展させることを決めており、さらに後継プログラム獲得に向けた準備も既に進めている。

「教員の側も、このプログラムの学生は今までの学生とは違うという手ごたえを感じていますし、このプログラムを受けている学生のほうも、高い満足度を示しています。産業界からも大きな期待をしていただいておりますので、未来を切り開いていく気概を持つグローバルリーダーの育成に、これからも全力をあげて取り組んでいきます」。東原氏が力強くそう宣言すれば、宮保氏は、「このプログラムを修了した学生ならどこへ行っても通用するし、リーダーになれるでしょう。引く手あまたの人材になることは間違いないですよ」と、太鼓判を押す。

次代のグローバルリーダーが山形から世界へ、巣立っていく日は近い。