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なぜ"リーダー"はこの映画を観るべきなのか 夏野剛氏が語る『インフェルノ』に込められたメッセージ

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夏野氏はこれからのリーダーたちは、長期的な視点に立ったうえで、現状について、「これでいいのか」という危機感を常に持たなければならないと強調する。

「とくに意思決定しなければならない立場にいる人にとって、国や組織の未来と、目の前の平和と繁栄をどう両立させていくのかという強いメッセージが投げかけられている。それをこの作品では『人類』という大きな問題として提起している。ダン・ブラウンの作品史上、最大のテーマに挑んでいる。

興味深いのは、この映画で投げかけたテーマが一件落着していないことだ。“あなたはどうしたらいいと思いますか?”映画を観た人すべてがそう問いかけられている」

世界人類が絶滅の1分前にいるというゾブリストの指摘は、重要な問いをわれわれに投げかける

実は夏野氏は、ダン・ブラウンの愛読者の一人。これまでも原作を読破してきたが、とくに「ダン・ブラウンの最高傑作」と感じた『インフェルノ』については映画化を楽しみにしていたという。

「人類の危機という大きなテーマをストーリー展開の早いアクションサスペンス映画に仕立て上げているところは、さすがハリウッドという感じ。原作の複雑性を失うことなく、わかりやすい描写とストーリー、そして、大がかりな撮影と場面展開、そのうえ二転三転するプロットは、観ていて飽きさせない」

世界の観光地であるフィレンツェ、ヴェネツィア、イスタンブールもふんだんに登場する。現地に行ったことのある人ならば、ラングドン教授が駆け回る姿も、まるで自分のことのように感じられるだろう。「そんな裏道があったのか!」と再度訪問してみたくなるかもしれない。

むろん、これまでのダン・ブラウンの映画にあるように知的欲求も刺激される。

「今回はとくに人類に対して非常に大きなテーマを投げかけると同時に複雑な謎解きも入っている。いわば、非常に鋭い社会的メッセージとハリウッドのエンターテインメント性を上手に融合している。怒涛のように進む、あっという間の2時間」だと夏野氏も語る『インフェルノ』。注目だ。

 

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