顧客視点で、最適・最良の
ITサービスを提供し成長
日本ビジネスシステムズ(JBS)が業績を堅調に伸ばしている。独立系のシステムインテグレーター(SIer)でありながら、同社の顧客リストには国内の各業界を代表する大手企業がずらりと並ぶ。しかも、その多くが既存顧客からの紹介によるものだというから驚く。その理由はどこにあるのか。

同社代表取締役社長の牧田幸弘氏は次のように語る。「当社は創業時から、特定の製品やメーカーにとらわれることなく、『カスタマーファースト』を企業理念に、お客様視点で最適・最良のITサービスの提供に努めてきました」
カスタマーファースト、すなわち、顧客第一主義を旗印に掲げる企業は少なくない。「ただし」と、牧田氏は話す。「製品やサービスを『売るために』というのでは、真のカスタマーファーストにつながりません。大切なのは、社員一人ひとりがどのような姿勢でお客様に向き合うのかということだと考えています」。
むろん、先進的な技術はつねに取り入れ、顧客への提案に生かしている。JBSは1995年にはマイクロソフトとソリューションプロバイダー契約を結んでいる。早くから、パソコン活用がビジネスの現場を大きく変える可能性を見出してきたとも理解できる。現在、同社は「マイクロソフト パートナー オブザ イヤー」を受賞するなど、主力パートナーの1社となっている。「IoT、AI、アナリティクスなど最新の技術がお客様の経営に身近な存在になってきました。特にモバイルやクラウド利用はイノベーションの前提条件となっています。ITの利用環境が革命的に変化している中で、お客様のビジネス成長への貢献が私たちの重要な役目だと感じています」と牧田氏は力を込める。
エンタープライズ分野を強化
トレーニングセンターも新設
牧田氏は「お客様のニーズに応えると言っても、インフラやセキュリティの条件を伺ってそれを改善するだけでは、真の課題解決にはつながりません」と指摘する。顧客の事業戦略を実現するため、あるいは顧客の顧客までを含めた関係構築のために、どうITを使っていくべきかを提案しなければならないのだ。
JBSではこれまでも、企業の課題解決をITで実現する取り組みに力を入れてきたが、今秋からは経営陣を強化するとともに、さらなる進化を目指すという。

10月には、大手法人向けビジネスで多くの知見と実績を持つ小原琢哉氏を取締役副社長に迎えた。経営者目線、ビジネス目線で顧客に対応してきた小原氏は、世界で知られるビッグプロジェクトの導入にも数多く携わってきた逸材だ。
「われわれにとってお客様と言うとIT部門をイメージしがちですが、本当のお客様は企業の経営者や社員の方々、さらにお客様のお客様です。JBSがこれまで培ってきた知見を生かしながら、未知のIT活用の領域に果敢にチャレンジして、経営のイノベーションパートナーになれるよう、進化を遂げたいと考えています。経営層の皆様と長期的視点で戦略を議論させていただくことでお客様のビジネスを理解し、またできる限り多くのITベンダーの技術を習得することで、JBSがイノベーションの真ん中で経営に直結する最適なソリューションをご提供していきたいと思います」と小原氏は意気込みを語る。小原氏を中心に、顧客の経営層が成長戦略や新規事業、海外展開を描く際にも、ITによって競争力を向上させる道筋を提案するなど、より上流のプロセスからビジネスの成長をコミットするようになるだろう。
同社の社員にも発想の転換が求められるところだ。牧田氏は「組織体制づくりや人材育成の観点でも、小原氏に期待している」と語る。
具体的な取り組みも始まっている。取締役常務執行役員の和田行弘氏は語る。「昨年からグループ1400人の全ITエンジニアに最新のクラウド技術を習得させる『クラウド・レディ・プロジェクト』を推進しています。また10月には最大約250人が同時に研修を受講できる新たな社員専用のトレーニングセンターが完成しました」。同社の強みでもあるクラウドなど、技術の知見を高めていく環境を整備する一方、エンジニアの意識改革も促していきたいという。「エンジニアであってもヒューマンスキルやビジネススキルの向上は欠かせません。しかし、『ヒューマンスキルを磨け』と言って磨けるものではありません。意識改革が不可欠です。当社では、『SEはシステムエンジニアではなくサービスエンジニアであれ』と繰り返し話しています」。
「JBSの技術者は姿勢が違う」と評されることが多いのも、そのあたりに理由があるのだろう。
全社員が同じマインドのもと
多様な人材が活躍できる場へ
JBSの社員の平均年齢は33歳、女性比率は3割を超える。産休から復帰した「ママ社員」も多い。多様な人材をどう生かしていくのか、その取り組みを聞いた。

10月に女性初の役員として迎えられた執行役員ビジネス戦略本部長の早田麻子氏は結婚、出産を経験しながら管理職として活躍するなど、IT業界でキャリアを積んできた。「業界のさらなる発展に女性の活躍は不可欠です。幸いIT業界には女性を受け入れてくれる文化があります。女性が管理職や経営層として活躍するロールモデルはまだ多くはありませんが女性の管理職登用を推進しワーキングマザーとしての経験も生かしながら、女性が真に働きやすい職場環境を作っていきたい」と語る。早田氏の存在は、多くの企業が女性活用やダイバーシティを掲げる中、大きな意味を持つのではないだろうか。
牧田氏は「女性の活躍は重要な経営課題です。社員がより働きやすい環境を整備していきます。多様な社員が同じマインドを共有し、最新テクノロジーを積極的に活用して、お客様のビジネスに直接貢献していきたいと考えています。お客様から期待を越えるイノベーションパートナーであると認めていただけるよう、社員全員で努力を続けていきます」と結んだ。