東名阪の主要都市を結ぶ利便性の高い交通アクセス
東京(羽田)から空路で約75分。名古屋からは約80分、大阪(伊丹)からは約90分。東名阪の主要都市から県内へ十分に日帰り可能という、良好なアクセス性を誇る青森県。東北新幹線を利用しても、東京駅―新青森駅間は最速2時間59分だ。2016年3月には北海道新幹線も開業し、新青森駅―新函館北斗駅が最速1時間1分で結ばれることになった。
青森県は本州最北端に位置し、世界自然遺産「白神山地」や三陸復興国立公園「種差海岸・階上岳地域」をはじめとする雄大な自然環境に恵まれる。その一方で、太平洋、日本海、津軽海峡に囲まれた全方位的な海上アプローチの良さを生かし、古くから海上物流の要所となってきた。
特に津軽海峡はアジアと北米を結ぶコンテナ船の3割が通過するほど(2009年時点)だ。八戸港は北東北における国際物流拠点として重要な役割を果たしており、今後、ロシアや韓国、中国などの北東アジア地域の経済成長にともない、貨物需要はさらに増加すると見られている。青森県の存在感はさらに高まりそうだ。
高速交通ネットワークや国際物流拠点としての優位性に加え、用地確保などが容易なのも青森県の大きな特長だ。県内には10ヘクタール以上確保可能な用地をはじめ主要な工業団地が15カ所あり、すぐにでも立地できる。冷涼な気候で空調コストを削減できるほか、台風や落雷の発生が少ないことから、事業継続計画(BCP)の観点で青森県を選ぶ企業も増えているという。
人財の確保という点でも、青森県は頼もしい。離職率や転職率が全国平均に比べて低く勤勉なことが特長であり、青森県に進出した企業からの評価も高い。また、大学・工業高等専門学校・工業高校などから優秀な人財が数多く輩出されており、人件費が全国で最も低い*ことから、質の高い人財を安心のコストで確保可能となっている。
*厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」より
もちろん、青森県に進出する企業への支援制度も充実している。
新設・増設時の設備投資に対する補助金のほか、雇用に対する奨励金や用地取得に対する支援に加え、電気料金の割引や税制優遇など、企業経営を手厚くサポートするメニューがそろっている。
ものづくり企業を支援する物流改革を推進
青森県では、企業の付加価値創造につながる取組も積極的に進めている。その一つが物流改革だ。2014年1月に策定した「青森県ロジスティクス戦略」は、2030年の青森県の将来像として、北東アジアにおけるグローバル物流拠点化を掲げている。
具体的な動きも始まっている。2015年には、ヤマト運輸と連携して総合流通プラットフォームによる輸送サービス「A!Premium(エープレミアム)」を開始した。同サービスでは、県内で採れた新鮮な農林水産品の輸送時間の短縮と鮮度・品質を保持した付加価値の高い物流を可能にしている。ヤマト運輸の輸送網を活用し、翌日午前中に、西日本地域を含む日本の人口の約9割をカバーするエリアへの配送を可能にした。さらに、アジア圏への最短翌日配送も可能だというから驚く。
青森県ではさらに、第2次産業分野における物流改革にも挑戦している。中小の製造業は経営資源が限られていることから、仕入れや発送などの物流業務が負担になることが多い。たとえばそこで、仕上げや仕分け・梱包などの業務を、物流事業者に委託することができれば、企業は本業であるものづくりに専念できるわけだ。
コア業務への特化を行うために、メーカーが一部の業務を物流事業者などにアウトソーシングするケースも増えている。青森県ではこれらの物流施設のほか、修理などを行うメンテナンスセンターやパーツセンターの立地促進を目指している。
現在「戦略的物流関連産業立地推進事業」を立ち上げており、すでに企業ニーズの調査などを開始。恵まれた立地環境を生かしながら、今後、青森県は国内有数の物流関連産業の集積地に育っていくことだろう。
インタビュー
青森県の立地を生かし、
戦略的に事業を拡大することができる
代表取締役
花田 悟
株式会社竜飛精工(本社・東京都府中市)は、プラスチック金型の設計・製作から成形までを手がけている。1996年に、創業者の中村満氏(現・顧問)の出身地である五所川原市に青森工場を設立、2012年に同工場長の花田悟氏が社長に就任した。従業員35人のうち青森工場には21人が勤務しており、陣容、売上ともにメインになっている。「青森に進出したのは優れた人財の確保と工業用地が狙いでした」と花田氏は語る。その背景には、同社の技術開発体制があるという。「当社には現在、ベテランの技能者はいません。3Dデータと最新鋭のCAD/CAMマシンを活用し、高精度な金型を短納期で製作することが可能です」同社の平均年齢は、なんと約32歳。従業員の多くは県内の出身だ。女性の技術者も活躍している。さらに工場内はバリアフリーで、下肢障害のある設計者も働きやすい環境を整えているという。最近では高品質の金型が認められ、釣りに使うルアー、スポーツ用品、自動車の部品などの用途に向けた引き合いが増えている。「特定の業種に偏らず、バランスよく事業を拡大していきたいと考えています。その点で、東名阪のどのエリアにもすぐに行けるのは便利です。現在、県が推進している物流機能強化が進めば、当社の競争優位性もさらに高まると期待しています」と花田氏は話す。


