100万冊の電子本、“お目当て”との出会い方 【第3回】「お勧め」に着目せよ、宣伝は根っこから変わる
――どの電子書籍販売会社もいずれは、タイトル数が100万冊規模になるということになると、読者にとっては、自分が読みたい本がどこにあるのか、見つけるのが難しくなりますね。
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その通りです。電子書籍販売会社にとっては、読者に「あなたが面白いと感じる本は、こんな本ではないですか?」というレコメンドの質が売上に直結するようになります。
その点で「HONZ」のように、第三者の立場から、面白い本を勧めてくれるようなところがますます重要になってくる。
書評サイトはいくつもある。どの新聞にも書評欄がある。ただ、どれも「評論」なんですね。中には、ほめているんだかけなしているんだかわからないようなものもある。評者の自己満足だね。
僕はいつも「HONZ」のメンバーに「2000字のPOPを書け」と言ってるんです。この本がいかに面白いかを2000字でアピールするということです。本当の意味でのレコメンドですね。
――電子書籍の場合は、レビューやクチコミの活用も期待できます。また、購入履歴などが取りやすいという特徴もあります。
確かに、レビューやクチコミを重視する読者も増えるでしょう。かと言って、関係者の手による「売らんかな」なのレビューを載せるようなことをしてはなりません。読者の目は厳しいです。
量販店などの「ビッグデータ」と比べて、本はデータの数が少なすぎます。初版数千部なんて本がほとんどですから。キャンペーンの告知程度には使えるかもしれませんが、購入履歴などを活用したレコメンドはまだ難しいでしょうね。