更新!
Innovate Hack 九州で選ばれたスーパーイレブン
〜9月6日いよいよ決勝戦へ!〜
8/26,27で実施されたハッカソン
「イノベート・ハック 九州」は、日本IBMと九州の有力企業が火付け役となるイノベート・ハブ 九州の中核となるイベントだ。
国内外あわせ、90組の応募から絞りこまれ、8月26日,27日で行われたハッカソンでは、11チームが決勝戦に進むことが決定した。
上の写真はその時の様子だが〈まち・くらし〉〈観光・エンタメ・スポーツ〉〈ヘルスケア〉〈ロボティクス〉の4テーマの下に、実現可能なイノベーションというこのイベント大きな目標を体現したアイデアが続々と登場した。
大きな特徴のひとつである、IBMの先進技術を無償、もしくは安価で利用できることと、協力企業が提供するリアルなデータやAPIにより、集まったアイデア群の「リアリティ」がこれからのイノベーションを感じさせるものになっている。
いよいよ9月6日は決勝戦〈DemoDay〉だ。その前に、決勝に進む11の候補たちのなかから、いくつかを記しておこう。
◎Nishida Lab. Category:ロボティクス
◎九工大 河野研究室 Category:ロボティクス
◎UMYAH Category:まち・くらし
ゲーム感覚で楽しみながらお手伝い・預金を学ぶことができると同時に、銀行取引をより身近なものにすることができる。
◎AO(アオ) Category:まち・くらし
◎メディアシステム Category:ヘルスケア
◎Japan QIK Category:観光・エンタメ・スポーツ
◎セーフマスター Caegory:ヘルスケア
このほか、防災やゲーム関連、そして台湾からの候補も合わせ、全11チームが熱く競い合う!
イノベーションの「ハブ」となる九州
「INNOVATE HUB KYUSHU(イノベート・ハブ 九州)」は、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)が主催する、九州におけるオープン・イノベーションの創出を推進するプログラムである。ワークショップやハッカソン(エンジニアが集まりソフトウエアなどを作成するイベント)を通じてイノベーションを実現するサービスを発掘し、その上で事業化へと導くのが目的だ。
「イノベーションの創出」や「インキュベーション」などを旗印に掲げるイベントは全国で毎日のように行われている。ただし、優れたアイデアであっても、なかなか事業化まで至らないのが現状だ。
一方で、「イノベート・ハブ 九州」では、ビジネスの「発掘」だけでなく、「構築」、「発展」のプロセスまでを視野に、プログラム全体を通じてイノベーションを実現する仕組みを用意している。
大きな特長の一つは、注目のAI技術「IBM Watson」のほか、クラウド上の開発環境「IBM Bluemix」などIBMの高度なツール(API)や開発環境が無償または安価で利用できるほか、プログラムに協賛する企業が提供するデータやAPIなども利用できることだ。
現在、「イノベート・ハブ 九州」に協賛している企業は、ソフトバンク、ゼンリン、西日本新聞社、ふくおかフィナンシャルグループ(福岡銀行ほか)、フォレストグループ、安川電機などだが、その関わりかたは、データやAPIの提供、アイデアソンやハッカソンの審査、メンタリングなどにも積極的に参加するというから頼もしい。
これらに加え、優れた作品は、事業化の構築、さらには九州内外の企業とのビジネス・マッチングやエコシステム(企業や人材の交流によるビジネス全体の収益構造)の形成、海外展開などをはじめとする事業拡大まで支援するという。
まさに本気で「ハブ」となる場を提供しようとしているのだ。
ハッカソン・イベント「イノベート・ハック 九州」が8月6日に開幕した!
「イノベート・ハブ 九州」の中核となるハッカソン・イベント「INNOVATE HACK KYUSHU(イノベート・ハック 九州)」は、事前説明会&アイデアソン(1次選考:8月6日)、ハッカソン(2次選考:8月27・28日)、DemoDay(決勝戦:9月6日)の3段階で選考が行われる。
「イノベート・ハブ 九州」を利用してビジネスアイデアを形にする人(チーム)は、「イノベート・ハック 九州」にエントリーする。九州はもとより全国から、さらに海外からは約90組もの応募があったという。
8月6日の事前説明会&アイデアソンは、福岡会場および東京サテライト会場、さらに海外を含めたリモート中継で行われた。総勢500人もの参加という数字から、その注目度の高さがうかがえる。
説明会の冒頭で、日本IBM マーケティング&コミュニケーション クラウド・マーケティング 理事の古長由里子氏があいさつし、「九州は観光資源や、食、エンターテインメント、ファッションなど魅力的なコンテンツ、産業が豊富で、アジアにも近く訪日外国人も増加している。また、当社は数十年以上前から、九州の企業や自治体、大学などと連携した活動を続けている。世界を動かすイノベーションを九州から生み出したい」と、今回のプログラムの狙いを語った。協賛企業からは「これまでにないアイデアを形にしてほしい」と期待するコメントが相次いだ。
説明会の後、「まち・くらし」、「観光・エンタメ・スポーツ」、「ヘルスケア」、「ロボティクス」のテーマごとに集まり、複数のチームが意見交換するアイデアソンが行われた。
各チームはアイデアソン終了後、8月10日までにアイデアシートを提出した。これをもとに8月27・28日に行われるハッカソン参加への選考が行われるが、厳正なる書類審査の結果44組が選抜される。DemoDay(決勝戦)ではさらに8〜10組に絞られて選考が行われる予定だ。
「IBM Watson API」をはじめ、テーマに応じた豊富なデータ、APIが利用可能
前述したように、「イノベート・ハック 九州」の特長の一つは、「IBM Watson API」をはじめ、テーマに応じた豊富なデータ、APIが利用できる点だ。説明会ではその内容についても具体的に示された。ここではいくつかを紹介しよう。
たとえば、西日本新聞社からは新聞記事データ、ゼンリンからは地図情報、ソフトバンクからは人の流動データや人の滞留データおよび人型ロボットPepper(ペッパー)、日本IBMからは金融系サービス・API (IBM Fintech共通API)、フォレストホールディングスからはヘルスケア関連データ、安川電機からはロボットシミュレーターなどが提供される。生のデータを活用することで、事業化を想定したアプリケーションを作ることができるだろう。
このほか、IBMからは、アプリケーションを構築・管理・実行するためのオープン・スタンダードなテクノロジーを活用した、クラウド・ソリューション「IBM Bluemix」も提供される。低コストかつ迅速にアプリの実行環境を提供することが可能だ。このほか、ビッグデータ、アナリティクス、Web&アプリケーション、IoT(モノのインターネット)、セキュリティといったすでに提供されているサービスを活用できるのも、IBMが主催するプログラムならではと言えるだろう。
「イノベート・ハック 九州」の審査基準は、アイデア(ユニークさ、斬新さ)、ビジネスモデルの完成度、データ/APIの活用度、実装の完成度、プレゼンテーションなどである。協賛企業はDemoDay(決勝戦)の審査員も務め、テーマ賞も提供する。
最優秀賞となった作品は事業化のためのインキュベーション・プログラムに採択されるほか、新聞などで特集記事も掲載される。優秀賞でも、IBM グローバル・カンファレンス「World of Watson」に招待されるという。
9月6日に行われる決勝戦でどのような提案をしてくれるか、早くも期待が高まっている。