主催:東洋経済新報社
特別協賛:Genpact Japan

開会あいさつ
Genpact Ltd. CEO
GEから独立し、「リーン・シックスシグマ」などの改善手法への深い理解を引き継いだジェンパクトは近年、デジタルテクノロジーも駆使して、顧客企業のビジネスプロセス再構築支援を提供している。ティアグラジャン氏は「わたしたちがグローバル企業と培った経験と知識を日本企業の皆さまと共有し、創造的破壊とも言えるデジタル変革のお手伝いをさせていただきたい」と呼びかけた。
基調講演
グローバル&デジタル時代に企業が乗り越えるべき課題と市場機会
―GEグループの変革から
GEヘルスケア・ジャパン
代表取締役社長兼CEO
GEは事業ポートフォリオの大胆な入れ替えを行ってきた。川上潤氏は、130年にわたり事業を継続してきたGEの強みについて「時代の要請に応え、絶えず自身を再定義して変えてきた」と説明する。GEヘルスケアもグローバル化という大きな変化の波を受けて、日本法人は危機を強めていた。川上氏は、世界に先駆けて日本が直面している高齢化という課題を解決することで、日本法人の新たな立ち位置を構築しようと変化を決断。「絶対にやり抜く覚悟」を持って、製品軸から疾患別でのソリューション提案、日本の技術力を活かした機器や医療モデルなどの開発を進めてきた。
GEは、仏アルストムの電力事業を買収する一方、順調だった金融事業を売却。ハードからソフトウエアにシフトする「デジタル・インダストリアル・カンパニー」への変革を急ぐ。スタートアップの考え方を取り入れて、顧客志向や迅速な行動などこれからの時代に求められる価値観を示した「GEビリーフス」を紹介した川上氏は「イメルトCEOは、長く考え抜いた末の結論を果断に実行しようとしています。事業構造変化を加速するには企業文化も変える必要があります」と語った。
協賛講演
デジタルを活用して進化する
グローバルオペレーション
Genpact Ltd.
シニア・バイスプレジデント兼 チーフ・マーケティング・オフィサー
ジェンパクトのジャンニ・ジャコメリ氏は「創造的破壊が日常になり、変化に追いつけない企業は寿命を縮めることになります。われわれは社名の由来になった顧客企業にインパクトを与えること(Generating Impact)を重視しています」と自社を紹介した。同社調査では、日本企業のグローバルオペレーション改革の現在の目的は、コスト削減、業務迅速化、ガバナンス強化がトップ3だが、10年後の目的では現在7位の「拡張性の高い経営基盤の強化」が2位になった。日本企業のグローバル化が加速化する中で、シェアードサービスには、低コスト追求だけでなく、経営基盤として作用し、ビジネス成果を生み出すことが求められており、企業の規模や成長に合わせ、国を超えて、複数の業務・機能を統合的に管理、実行するグローバル・ビジネス・サービス(GBS)モデルを検討する時期になっている。
最新デジタル技術でバック/ミドル・オフィスのムダを最小化するプロセスを、デザインシンキングの手法も用いて迅速に再構築する「リーン・デジタル」の取り組みを解説したジャコメリ氏は「GEから分社したわれわれは、ビジネスプロセスを深く理解しているからこそ、変革実行のお手伝いができる強みがあります」と結んだ。
事例講演1
革新的なソリューションを生み出すデジタルオペレーション変革
Otsuka Pharmaceutical Development & Commercialization Inc.(OPDC、大塚製薬米国関係会社)大塚インフォメーション・テクノロジー リーダー
大塚データサイエンス シニア・ディレクター
医薬品に組み込んだ極小センサーで服薬状況を測定するデジタルメディスンの開発など、デジタルテクノロジーとビジネスの融合を進める大塚製薬グループのデボラ・プロフィット氏とシャシャンク・ロハタギ氏は、臨床試験などのデータを活用し、患者ごとに最適化した医療でパフォーマンスを向上し、医薬品開発に貢献しようとする取り組みを紹介した。
サイロ化された社内データを共有するため、OPDC社はジェンパクトの支援で、データマッピングを行い、検索可能なデータベースを整備。患者情報など高いセキュリティを要求されるデータを扱うためセキュアなシステムを構築し、ウエアラブル端末から治験までさまざまなデータをリアルタイムで収集できるようにした。ロハタギ氏は「生物統計学などのデータ分析能力と、セキュリティを含むテクノロジーが一緒になることが成功のカギで、その革新にはプロセス、テクノロジー、アナリティクスの融合が可能なパートナーが必要です」とジェンパクトの役割を評価。プロフィット氏は「これからの競合相手は製薬会社だけでなく、IT企業かもしれません。ペーパーレスのビジネスプロセス実現を目指しながら、ビジネス全体の変革を図っていきます」と語った。
事例講演2
日本企業が取り組むオペレーション変革
―大手製造業の事例から
日本ジェンパクト・ビジネスサービス(GJBS)
取締役社長
大手製造業のグループ・インハウス・シェアードサービス会社から2014年に分社され、日本におけるジェンパクトの財務BPO会社として設立された、GJBSの大内欣典氏は、その狙いや効果について語った。グローバル標準化と変化に迅速に対応する経営基盤へのトランスフォーメーションを中期経営計画に掲げた大手製造業では、経営戦略策定支援業務への財務人財の集中と、プロセス業務のスリム化を打ち出した。そこで、社内シェアードサービスではなく、外部BPO化を選んだ理由について、大内氏は「人件費の変動費化や、グローバルBPOのノウハウ活用を期待しました」と説明する。
GJBSでは、中国・大連へのオフショア化によるコスト削減のほか、作業時間のバラツキの大きい業務を標準化して質を向上させるリーン・シックスシグマ、人のキーストロークを模倣するソフトウエアロボットを導入してルールベースの手作業を自動化するラピッドオートメーションなど、ジェンパクトの手法を使い、生産性を改善してきた。成果を受託費低減の形で還元してきた大内氏は「BPO化によるコスト削減効果を得るには、短期的には人員対策やBPOへの転籍、中長期には計画的人財採用とセットにすべき」と述べた。
閉会あいさつ
Genpact Japan
代表取締役社長
ジェンパクト・ジャパンの杉浦英夫氏は「当社をBPOの会社と見ている方も多いと思いますが、アナリティクスやロボティクス・オートメーションを活用した業務プロセスの自動化など、デジタル領域でも新たな飛躍を期しています」と、事業内容の変化を説明。「グローバル化で、従来業務の延長と異なる新しい業務プロセス構築を必要とするお客様を、日本と海外のメンバーが一体となってサポートします」と呼びかけた。