圧倒的な知と心を持つ"医療人" 日本リハビリテーション専門学校
◎学部・コース 作業療法学科、理学療法学科、各科に昼間部、夜間部(4年制) ◎在校生数 600名(2016年6月) ◎主な就職先(2016年3月卒) 大学病院、リハビリテーション病院、一般病院、総合病院、老人保健施設、クリニック、研究機関、公立施設など
"現場感覚"のある専門家による指導
作業療法士や理学療法士を育成する「日本リハビリテーション専門学校」が開校したのは1997年。校長は整形外科医でリハビリテーション専門医の陶山哲夫氏。教鞭をとるかたわら、病院で整形外科の外来医として勤務を続けている現役の医者である。また、講師陣も現役で現場経験の豊富な医師や作業療法士、理学療法士をそろえているのが同校の特徴だ。
理由は明快である。リハビリテーションは、医学的根拠にもとづく確かな知識と技術で患者の生活の質を上げるためのサポートをする仕事だ。その技術は、最新のテクノロジーや研究と医療の進歩によって絶え間なく進化している。だからこそ、現役で現場感覚のある専門家による指導が重要になってくるのだ。
実習から即戦力へ
現場主義のレベルの違い
今、医療の現場で求められているのは、考える力を持った即戦力だと校長の陶山氏は語る。同校は、取り入れた知識を実践的な技術として生かすための、臨床実習プログラムに力を入れているのが特徴だ。
厚生労働省が定める、作業療法士や理学療法士が実習で履修する時間が810時間なのに対し、同校はそれを225〜405時間も上回る、4年間で1035〜1215時間を実習プログラムにあてている。学生のうちから多くの患者や症例にふれて、実践的な技術や知識を身につけさせるのが狙いだ。そのために、全国300カ所以上の病院、介護老人保健施設などと提携している。
実は実習を受けるにあたり、学生を圧迫するのが実習にかかる経費なのだという。たとえば、4年間で学費以外に約70〜80万円かかるのがモデルケース。その点、同校の場合、実習にかかる経費はもちろん、遠方の実習先への交通費や宿泊先、部屋の賃貸料はすべて学費に含まれている。この安心感たるや、現場主義のもうひとつの側面だろう。
また、同校では、PBLチュートリアル(問題解決型演習)やSP面接実習、TAS(複数の教員による濃密な実技実習の指導)、OSCE(擬似患者による客観的臨床能力試験) といった、大学の医学部と同じ教育プログラムを導入しているのも特徴である。
このようなプログラムを通じ、患者の話に耳を傾けて心痛を理解し、共感できる医療人としてのスタンスを育む、総合的臨床能力を高めることに重点を置いている。
徹底した学生へのフォロー
高度な教育を少人数制で受けられるのも同校ならでは。たとえば、大学の場合、40〜80人の学生に対し、1人しか教員がつかない例があるが、同校では、35〜40人の学生に2人の割合で教員が指導にあたる。国家資格の合格率が作業療法士が92.8%、理学療法士が90.9%と、開校以来高い水準をキープする要因のひとつだろう。
教育面に加え同校の徹底した試験対策も効果をもたらしており、例えば、昨年の卒業生のアドバイスが受けられたり、学内模擬試験を最大20回も実施したり、集中講義を実施したりするなど、手厚いサポートが用意されている。
もうひとつの安心として、万一試験に受からなかった場合、卒業後も国家試験対策プログラムを無料で制限なく受けられる仕組みになっている。同校には夜間部もあり、働きながら学ぶ社会人も多いため、こうしたサポートが受けられるのは、学生としては心強いだろう。
同校は今年で開校20周年を迎え、作業療法士・理学療法士の養成校としては老舗であり、全国の病院や医療施設から同校に寄せられる求人数は圧倒的だ。作業療法士2707人、理学療法士2607人(2015年実績)という数は、確かな教育を受けたという証でもある。同校を卒業すれば、大学卒業と同等の「高度専門士」の称号が得られるため、学生としては大学院進学や就職時に大卒と同じ給与基準となるメリットも大きい。
時代のニーズに応える、広い視野を持つ作業療法士や理学療法士を育成するうえで、注力している点について、校長の陶山先生は次のように語る。
「大学や病院で活躍しているベテランの講師から、知識、技術のみならず、その人柄やきらりと光る人間性を学ぶことができます。どんな医療者になったら良いか?ということは、自分がどんな医療者にかかりたいか、また、その医療者に家族を任せられるかを考えれば分かります。本校の家庭的な手作りの4年間の教育の中で、医療者に必要な心と知識、技術を育成できればと考えています」
現役の医師や作業療法士、理学療法士からの熱くて深い指導が受けられる同校の取り組み。医療のスペシャリストである先輩講師陣の経験にもとづく指導に加え、実習での濃い経験が、将来の頼れる医療従事者を育てているのである。