英会話力は頭に入れた
文の数に比例して伸びていきます

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文法攻略法としてビジネスパーソンに最適なのは文法書やりなおしよりも、語順に特化した音読です。I think that…とあれば「〜と思う」と訳を考えるのではなく、語順に忠実にthinkの内容を説明する意識で後続を展開していく。I was excited to hear about your new project. なら「君の新しいプロジェクトを聞いて」と後ろから考えるのではなく、「わくわくなんだよ」の説明をto以下に展開。そうした語順に忠実な音読練習を繰り返し、英語の語順を徹底的にカラダに染み込ませるようにする、それが大切です。

次のポイントは「発音練習」。個々の音というより、むしろ英語のクセに特化した練習が大切です。日本語とは違い英語ではstructureなど頻繁に子音が連鎖します。「ストラクチャー」と、存在しない母音を加えて発音しては英語に聞こえません。また、文は忠実に辞書通り発音されるわけでもないのです。「語末の子音は消え」、「単語を越えて音はつながり(come onは「カモン」ですよね)」、「重要でない母音は弱化」されます。是非、こうしたポイントに沿って練習できる本を1冊仕上げてください。短期間で見違えますよ。

最後のポイントは「表現の意味を日本語訳を越えてつかむ」。私たちは「英単語の意味=日本語訳」と考えがちです。これでは英文和訳はできても自由に話すことはできません。

たとえばsmallとlittle。どちらも「小さい」ですから、使い分けなど不可能ですよね。この2つの単語、ネイティブは区別しています。「人魚姫」はThe Little Mermaidでなくては困ります。littleには「ちっちゃくてかわいい」といった感情が乗るからです。small mermaidなら「小人魚」と、なにやら生物種を表しているように感じます。smallはlarge同様、サイズを客観的に表す単語。大中小の「小」だからです。それがわかれば服のサイズが(客観的な)L、M、Sであることも理解できるはず。

話せる英語を目指すなら、日本語訳の向こうを目指さねばなりません。ネイティブの言い回しにしっかりアンテナを立て「なぜその単語を使うのか」しっかりニュアンスを身に付けていかねばなりません。

近道はない。だけどやれば
やるほど身に付くのが英語

さて、以上のポイントを踏まえながら1つだけ、毎日やっていただきたいことがあります。それは「ネイティブの文を丸ごと覚え続けること」。僕たち日本人が日本語を上手に操れるのは、無数の文を(無意識のうちに)頭に入れているからです。「お客様がおかけになった電話番号は」の続きは「現在使われておりません」ですよね?。英語ネイティブも同じですよ。よどみなく会話ができるのは、英作文が速いからではありません。使うべき文がほとんど頭に入っているからです。

同じ能力を得たければ、目にした英語文を逐一、徹底的に頭に入れなければなりません。会話力は、頭に入れた文の数に比例して伸びていきます。ここに近道はありません。でも素敵なことじゃないでしょうか。やればやるだけリニアに力が伸びるのです。

実はNHKの語学番組『しごとの基礎英語』で、出演者にお願いしているのは「番組で扱った文はすべて覚えてくださいね」、それだけです。ご覧になっている方はおわかりになると思いますが、それだけでみるみる英語力が上がっています。語学では、努力は必ず報われるのですよ。