食中毒のペッパーランチ、崩れた収益モデル

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食中毒のペッパーランチ、崩れた収益モデル

9月5日、ステーキチェーン店「ペッパーランチ」を運営するペッパーフードサービスは、7都府県の7店舗で11人が病原性大腸菌O-157に感染したと公表。いずれも8月14~26日に「角切りステーキ」を食べており、10日時点で30人に増えている。

感染者が全国的に広がる中、同社の対応は後手に回った。2日夜に保健所から連絡を受けたが、問題のステーキを販売停止にしたのは4日。翌5日に記者会見を開き、一瀬邦夫社長は「本当に申し訳ない」と謝罪を繰り返した。このときは保健所から営業停止命令を受けた店舗以外は継続すると断言したが、6日夜に一瀬社長が臨時休業を急きょ決定。7~8日は全店で清掃・消毒が行われ、9日から営業再開に至った。

しかし、イオン系列店に出店する店舗は再開できなかった。一連の対応について「情報開示が適切でなかった」とイオンは問題視し、原因と再発防止についての説明を求めている。9日に報告書を受け取り、内容を検討してから再開するという。

生肉のまま提供

問題となった角切りステーキは、大垣食肉供給センター協同組合(岐阜)で加工されたもの。これは牛肉や脂身を結着させた成型肉で、一枚肉のステーキとは異なる。今年4月に「品質とコストを見直す」(ペッパーフード)ことを目的に、取引工場を変更したばかりだった。保健所では現在、サンプル肉と製造ラインを検査している。

ペッパーランチでは熱した鉄皿に生肉を載せて客に提供する。だが成型肉は十分に火を通す必要があり、かねて食肉関係者の間では「いつ食中毒が発生してもおかしくない」とささやかれていた。スーパーで販売される家庭用についても、十分に加熱をするよう注意書きがされている。

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