スキラージャパン取締役副社長 ファイナンシャル・プランナー 慶大院修了後、証券会社の経営企画等を経て、現在は独立系FPとして、 資産運用中心にFP相談・執筆・講演を行う。東洋大学経営学部ファイナンス学科非常勤講師
伊藤 日本では金に投資している人はそれほど多くありませんが、諸外国では戦争や金融危機といった有事に備えるために、資産の一部として金を持つのが当たり前になっています。金はインフレにも強いですから、政府がインフレを目指している今は、投資の選択肢としては有効だと思います。
平井 当社は2013年ごろからサービス開始の準備を始めて、昨年5月から開始しました。13年当時は、アベノミクスで株価が大きく上がり始めていましたが、必ず下落局面が来ると考えていました。実際、16年に入って株価が下落していますので、その前に当社で金に投資していただいた方は資産を守ることができたと思います。結果的にいいタイミングでのサービス開始となりました。
伊藤 金価格は株価と逆相関すると言われていますので、ヘッジをかける手段としても、資産ポートフォリオの中に金を入れるというのは効果的ですね。実際、私も金への投資をもう10年ほど続けています。
ブリオンジャパン代表取締役CEO 大学卒業後、大手コンサルティングファームに入社。 主に金融機関に対するコンサルティング業務に従事した後、 外資系ヘッジファンドにて日本株運用を担当。ブリオンジャパンマーケティング担当副社長を経て2016年より現職
平井 かつて日本では金を買おうと思ってもハードルが高かったんです。地金を買おうとすれば地金商を通して買うのが一般的でしたが、ゴールドバーだと500万円ぐらいのまとまった金額がないとなかなか買えない。小額で買おうとすると高額の手数料がかかる、という状況でした。これらのハードルを下げたのがこのブリオンボールト・サービスです。
もともとは05年にイギリスで始まったサービスで、現在では世界183の国と地域で約5万8000人の投資家に利用されています。ブリオンボールト・サービスではオンライン市場を形成し、買いたい人と売りたい人のニーズをマッチングさせる仕組みで、金を在庫として持つわけではありません。その分、負うリスクは小さくなりますから、手数料を下げることができました。日本におけるブリオンボールト・サービスのユーザーの半数以上が利用する積立サービスでは5000円単位の円建てで地金を買うことができ、しかも、24時間365日、自分の好きなタイミングでネット売買できるというモデルです。
伊藤 円建てなら為替変動の影響を受けませんし、24時間売買できるというのもありがたい。証券取引市場は開いている時間が限られていますし、土日祝祭日は休みです。仮に株価が大きく変動することが予想できても、市場が閉まっていれば売買できません。サラリーマンも帰宅してからじっくり考えて注文を出せますし、自分の都合のいいタイミングで取引できる。このサービスはこれから大きく広がると思います。
平井 投資を始めるにあたって株や為替は価格の変動幅が大きく元手もある程度まとまった金額が必要なので、投資初心者の方はこのサービスでまず金から始めてみることをオススメしたいです。
伊藤 「金から始める投資」というのは私も賛成です。企業が倒産したら株の価値はゼロになってしまいますが、金が無価値になることはありませんから。
平井 それにこのサービスでは当社の経営状況にかかわらず、お客様の金が失われることはありません。ブリオンボールト・サービスは「特定保管」という契約形態をとっており、お客様が購入した金はお客様の名義で金地金専門保管業者で保管されます。一方、自社の資産とお客様の金を同じ場所で保管する形態を「消費寄託」と言い、この場合、取り扱い企業が倒産したら、お客様の金が債権者への返済に充てられる可能性もあるので注意が必要です。
伊藤 かつてネット証券ができた時に、手数料の安さから多くのユーザーがネット証券にシフトしたように、金業界でも同じことが起きそうですね。貴社のサービスを利用して実際に金を買っているのはどういう方が多いのでしょうか。
平井 40~60代の方が比較的多いですね。ブリオンボールト・サービスには月々5000円から積み立てるサービスとスポット買いのサービスがありますが、6割のお客様が積み立てです。積み立てる金額は月2~3万円の方が多いですね。もちろん、積み立てをしながら1グラム単位でスポット買いをすることも可能です。
「金投資家インデックス」とはブリオンボールト・サービスにおける金の購入者と売却者の割合で、購入者が売却者より多いと50を超え、投資家が金投資に対して強気姿勢であることを意味する(出典:BullionVaultUK)
伊藤 リスクヘッジを重視するのであれば、積み立てのほうがより適しています。いずれにしても金は長期保有してもいいし短期で売買してもいい。経済情勢などを勉強しながら売買すれば売却益を得ることも期待できます。あまり知られていませんが、地金などを売却した譲渡益には原則として、年間50万円までの特別控除があります。さらに保有期間が5年を超えた後の売却の場合には、譲渡益が長期譲渡所得として半分に軽減されるので、有効に活用したいですね。
平井 今は日本経済に大きな成長を望むのは難しいし、国の財政も厳しい状態です。年金に頼らず、自分の資産は自分で守らないといけない時代になっています。日本ではまだまだ金の投資が身近でないという方が多いと思いますが、金の特性を考慮すれば、ベテラン投資家の方にも、初心者の方にもニーズはあると考えています。まずはブリオンボールト・サービスがどのようなものかを、知っていただきたいですね。
