都議選の「安倍やめろ!」は尋常ではなかった 選挙戦最終日、安倍首相の目の前で大逆風

拡大
縮小
7月1日夕刻、秋葉原駅前の様子(筆者撮影)

政権を奪還した2012年の衆議院選での成功体験が根強く残っているのだろう。自民党がそれ以降の選挙戦最終日の「マイク納め」に選ぶ場所は、秋葉原駅前と決まっている。その“聖地”で7月1日には午後4時から、千代田区から都議選に出馬している自民党が公認する中村彩候補の街宣が行われた。

それにしてもすごい人だ。秋葉原駅の電気街口を出ると、すでにたくさんの人が集まっていた。安倍晋三首相が参加するためだろうが、国政選挙に近い動員ぶりだ。

「安倍やめろ!」コール

ところが今回は、一部で異変が起こっている。当初から「安倍やめろ」のコールが沸き起こっていたのだ。

中心となっていたのは一部の集団だったようだが、街宣が始まるとともにコールは広がりを見せ、通行用のスペースを隔てた場所で演説を見ていた人まで「安倍やめろ」と口ずさむ有様だった。

そうした批判の声がとりわけ大きくなったのは、石原伸晃経済財政政策担当大臣が話し始めた時だった。

「せっかく安倍総理総裁の話を聞きにお集まりいただいているのに、一部の人たちがこのように演説自体を邪魔する。こういうことを惹起させてしまったのは、やはり権力・政権をお預かりしている私どもの頭の中に皆さまの声に耳を傾けない、あぐらをかいていたからだ」

石原大臣の発言には自民党の反省の言葉も含まれていたにもかかわらず、喋り始めるとすぐに大きなブーイングが飛んでいる。と同時に、「帰れ」コールも沸き起こっている。その途中で安倍首相が到着して街宣車に上がったが、批判の声はさらに高まった。

次ページなぜ石原大臣が批判されるのか
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT