安倍政権、8月改造で支持急落を止められるか

「青木率」なお高いが、都議選での苦戦は必至

強引な国会運営を続けてきた安倍首相。支持率急落に何を思うのか(写真:ロイター/アフロ)

通常国会が政府与党の強引な手法で閉幕したことで内閣支持率が急落した。安倍晋三首相を頂点とする1強政権の暴走とも見える政局運営が国民の不信感を拡大させた結果だ。首相周辺は「支持率はいったん下落してもすぐ取り戻せる」と強気を装うが、自民党内からは「事態は深刻。終わりの始まりになりかねない」(長老)との声も漏れてくる。首相も国会閉幕直後の6月19日の記者会見で「国民の不信を招いたことは率直に反省しなければならない。信なくば立たず、だ」と殊勝な態度を見せた。

目前に迫った東京都議選(7月2日投開票)でも自民党の苦戦は必至。首相は8月のお盆前後に党・内閣改造人事を断行することで態勢立て直しを狙うが、「安倍改憲」実現への与野党協議やそれと絡む解散・総選挙などを軸とする今後の政治日程づくりにも影響が出ることは避けられず、来年9月の自民党総裁3選を既定路線化した1強政権の前途に暗雲が漂い始めている。

6月18日の国会閉幕に合わせてマスコミ各社が実施した世論調査で、内閣支持率は平均で約10ポイントも急落した。不支持も同じ割合で急増し、支持を逆転した調査結果も出た。国会最終盤で自民党がいわゆる「共謀罪」法案を参議院法務委員会の審議途中での「中間報告」という奇策で強引に会期内成立に持ち込み、会期も延長しなかった。これが「加計学園疑惑」での野党の追及から逃れようとしたと受け止められたことが、支持率急落の原因だ。

政権の隠蔽体質が国民の不信招く

第2次安倍政権以降では2015年夏から秋にかけて国会を取り巻くデモ隊の反対運動の中、新安保法制を強行成立させた際にも支持率が急落したが、短期間で持ち直した。このため首相サイドは「誠実に国民のための政策を推進すれば支持は回復する」(側近)と自信を見せるが、安保法制など政策での対立と違って今回は「首相の疑惑を政権全体で隠蔽しようとしたことに国民が怒っている」(民進党幹部)だけに、「急回復は望めない」(自民党幹部)のが実情だろう。

とくに、各世論調査の内訳を見ると不祥事に敏感とされる女性の不支持率の急上昇が際立つ。また、支持する層も「ほかに適当な人物が見当たらないから」との理由による消極的支持が半数近くとなっており、「岩盤のような支持は2割程度」(調査専門家)との厳しい見方もある。

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