「介護」はこれからもっと過酷で悲惨になる 介護保険制度がどんどん難解になっている

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介護の悲劇を避けるには?(写真:kou / PIXTA)
介護離職、介護難民、介護殺人……。「介護」の2文字に付きまとう暗い影。多くの人にとって親が元気なうちは目を背けていたい、憂鬱なテーマではないだろうか。だがいずれやってくる現実。ここは一念発起、予習に踏み込むきっかけをくれる、初心者向けの書。『親の介護をする前に読む本』を書いた介護ライターの東田勉氏に聞に心構えを聞いた。

元気なうちに親の意思を聞いておく

──高齢でも体は丈夫、自身の認知症など疑ってもいない親に、子はどう切り出せばいいのでしょう。

まず、元気なうちに親の意思を聞いておくことが大事です。介護が必要になったら在宅か施設か、どこで介護されたいか。もう1つは延命を望むか望まないか。これを聞いておかないと絶対に後々後悔します。

そして親が75歳になったら、要介護認定の検査を受けてもらうことを勧めます。役所から知らせが来たとか、受診が義務化された、健康具合を見に係の人が来るとか、ウソも方便。何とか要介護認定を受けてもらうのが第一歩です。65歳の誕生日前に送られてくる介護保険証持参で役所の介護保険課窓口に行き申請、受理されたら自分が立ち会える日に認定調査員に来てもらって、要介護認定の調査を受けます。1カ月後、要介護度が書き込まれた介護保険証が送られてくる運びです。

──すでに認知症、介護の本を多く書かれていますが、今あえて初心者向けに書かれたのは?

今、介護は激変しています。これから介護に入っていく人には大変な時代になる。いろんな落とし穴があると警鐘を鳴らしたかった。介護保険、医療保険も財政破綻でサービス削減と負担増が同時進行し、働き手も圧倒的に不足している。懸念されていたことが現実となってきた。要介護3以上で入所可能な特別養護老人ホームの待機者は国の政策転換で減りつつあるけど、肝心の職員が確保できず、入所者を受け入れられない事態が多発しています。

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