2015年の大相撲界、心に響いた「10の言葉」

舞台裏で発せられた力士や親方たちの肉声

12月22日、両国国技館で行われた北の湖理事長の葬儀(写真:日刊スポーツ/アフロ)

大相撲の人気が回復してきた。土俵上の盛り上がりもあったが、その舞台裏で発せられた力士、親方らの言葉もいくつか印象に残った。個人的な見方を交えて、私の心に残った言葉を時系列で紹介したい。

聞いたことがない最高の褒め言葉

一、「弟子ながら尊敬している」(錣山親方)

初場所6日目、元小結豊真将が引退した。2014年の名古屋場所で右膝に大ケガを負い、再起を目指したが無念の決断となった。豊真将の引退会見に同席した師匠の錣山親方(元関脇寺尾)はこう言った。

「礼で始まり、礼で終わる相撲道を体現できる数少ない力士。弟子ながら尊敬している」

豊真将が所作を丁寧にやるようになったのは、入門当時の師匠の教えがきっかけ。「ピシッとやると、大きく見えて、相手を威圧できる。きっちりやって見せるのも、相撲の一部なんです」と話したことがある。記録より、記憶に残る力士だった。師弟関係が色濃く残る角界で、師匠が弟子に対して「尊敬」と言うのは、これまで聞いたことがない。最高の褒め言葉だった。

二、「出せばいいんだよ」(伊勢ケ濱親方)

春場所11日目、照ノ富士が魁聖にあっけなく寄り切られた。取組後、腹痛で便意をもよおしていたことを明かし「(力を)入れたら、出ちゃうじゃん。勝っても、出たらおかしいやろ」とこぼした。

師匠はこれを許さなかった。翌日の照ノ富士によると、伊勢ケ濱親方(元横綱旭富士)から「出せばいいんだよ。出しても勝つほうがいいだろ!」と怒られた。決して下ネタでも笑い話でもない。何が何でも勝つんだ、という親方の厳しさが表れたエピソード。結局、照ノ富士は春場所で13勝を挙げ、次の夏場所で優勝し、大関昇進を果たした。

三、「2人で安美錦」(安美錦)

夏場所5日目、横綱白鵬をあと1歩まで追い詰めた安美錦が、支度部屋で泣いた。

「付け人が辞めちゃったからね。2人でずっと考えてきた(白鵬戦の)策を全部出して。2人で考えたことなので。余計に勝ちたかったんだけどね…」

4月末、15年半も安美錦の付け人を務めていた元幕下扇富士の中澤利光さんが引退。そんな背景もあって、感情があふれ出た。

「自分が『安美』で、向こうが『錦』。2人で『安美錦』のところもあったからね」

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