日本の国技「大相撲」の知られざる裏側 裏方の職人技はここまでスゴい!

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大相撲のメッカ、東京・両国国技館(写真:のびー/Imasia)

「はっけよい、のこった!」

かけ声と同時に肉体と肉体がぶつかり合う。一瞬の衝撃に場は包まれ、人々は息を呑み、その刹那に魅せられる――。

日本の国技、伝統文化である相撲。その華やかな表舞台を裏で支える人たちの実態は、あまり表に知られていない。勝敗を判定する「行司」や力士の髪を結う「床山」、「呼出」などと呼ばれる人たちだ。

1月10日(土)にTBSテレビで放送する「ジョブチューン〜大相撲・プロ野球ぶっちゃけ祭り3時間SP」(夜7時放送)に出演する、秀男さんは元呼出として大相撲を裏で支え続けた第一人者だ。

2014年11月の九州場所。ここを最後に呼出の最高位「立呼出」の秀男さんは引退した。その風貌から相撲ファンに「土俵の妖精」の愛称で呼ばれ愛されつづけた存在だった。昭和44(1969)年3月、19歳の春。相撲の世界に飛び込んで以降、45年間相撲の世界に身を置き続けた。その歴史と伝統を長きにわたり支えた呼出の仕事には、日本人の「仕事哲学」がある――。

「呼出」は45人のみ

大相撲を縁の下で支える呼出になるには、義務教育を修了した満19歳までの男子のみ。定員はわずか45名という少ない人数で、国技の基礎が支えられている。

呼出の仕事を一言で説明しようとしても、できないほど仕事内容は多岐にわたるが、ほぼすべての裏方業務を担っているといっても過言ではない。呼出は力士同様に部屋に所属し、時にはちゃんこ鍋を作ることもあるそうだ。

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