日本精工、NTN、不二越のベアリング大手3社がカルテルで刑事告発、捜査前に自主申告のジェイテクトは告発免れる

公正取引委員会(以下、公取委)は6月14日、自動車や機械などの部品に使われるベアリング(軸受け)の販売にあたって価格カルテルを結んだとして、ベアリングメーカー3社と、各社の担当者7名を検事総長に告発したと発表した。公取委が刑事告発に踏み切るのは約3年半ぶり。「市場規模が大きく、重大な影響を国民生活に及ぼしたため」(公取委)と説明している。

告発されたのは、日本精工(東京都)、NTN(大阪市)、不二越(富山県)の3社と、各社の担当者7名(日本精工3名、NTN2名、不二越2名)。同容疑で捜査を受けていたジェイテクト(名古屋市)は、課徴金減免制度(捜査前に自主申告することで課徴金を免除ないし減額される制度)により告発対象から外れたもようだ。

公取委の発表によると、3社は2010年5月下旬頃から8月下旬頃までの間、東京都内で会合を開くなどして、産業機械用の一般ベアリングについては約8%、大型ベアリングについては10%、自動車用ベアリングについては原料である鋼材の投入重量1キログラムにつき20円を、それぞれ値上げすることで合意。その後、一斉に値上げを行ったとされている。 
 
 ベアリングの流通経路は大まかにわけて、産業機械用、自動車用、一般市販用の3つ。このうち産業機械用と自動車用が今回の告発対象となった。産業機械用のベアリングについては日本精工とNTN、不二越の3社が、自動車用については日本精工とNTNの2社が告発された。各社で仕様の変わらない汎用品だけでなく、顧客と個別で機能や価格を決めているOEM部品についても、「対象に含まれる」(公取委)という。

一方、小売りに用いられる「定価表」の値段をすり合わせていたのではないか、という主旨の報道が捜査開始当初にあった一般市販用については、告発の対象外となった。
 
 3社は捜査について、異口同音に「厳粛に受け止め、法令遵守の徹底に努める」とリリース発表しているが、6月14日現在、課徴金の引き当て等は行っていない。ベアリングの国内の市場規模は年間約4000億円で、ジェイテクトを含む4社のシェアは約80%だが、告発の対象は市場全体の一部。課徴金や排除命令といった行政処分の有無は、今後の公判や捜査を通して決まることになる。
(小河 眞与 撮影:梅谷秀司 =東洋経済オンライン)

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