韓国・金泳三元大統領が死去、その功罪とは?

反軍部独裁・民主化運動に献身

2013年の大統領就任式にて。右端が金泳三氏(写真:Yonhap/アフロ)

韓国の金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が22日未明、ソウル市内の病院で死去した。87歳だった。朴正煕(パク・チョンヒ)、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領らによる軍部独裁政権下で民主化運動に邁進、大統領にまで上り詰めた韓国立志伝中の一人だ。だが、任期切れ直前の1997年に「朝鮮戦争(50~53年)以来、大韓民国にとって最大の危機」と言われた金融危機、いわゆる「IMF(国際通貨基金)危機」の大混乱を招いて何ら手を打てないままに、不本意のうちに政界から引退した。

軍部独裁の悪弊を一掃しようと努力

金泳三氏は1927年、韓国南部・慶尚南道で生まれた。ソウル大学哲学科を卒業、国務総理(首相)秘書や国会議員を務めながら、自身の後に大統領になった故・金大中(キム・デジュン)元大統領とともに、反軍部独裁・民主化運動の先頭に立った。この間、政治活動を規制されたり、自宅軟禁などの憂き目にも遭っている。

1987年6月の民主化宣言で同年実施された初の大統領直接選挙に立候補したが、金大中氏との統一候補擁立は失敗。結局、全斗煥氏と同じ軍部出身の盧泰愚氏に大統領の座を譲った。1992年の大統領選挙に、最大のライバル・金大中氏を破って当選。軍事政権と対照づけるべく、自らを「文民政権」と称して政治を行った。1960年代からの長い政治生活、民主化運動の闘士としての経験から「政治九段」(政治の達人)として称されることもあった。

軍事政権の不正を断罪し、その悪弊を一掃しようと努力し、その成果を残した。しかし、経済面では、そんな政治名人でも思うとおりにいかなかった。「政治の論理で経済の論理を埋めようとし、失敗した大統領」との指摘は、今でも根強い。

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