北朝鮮が対外関係の改善へと進み始めた理由 金正恩は4年間で実績を積み上げてきた

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中国の劉雲山・政治局常務委員(左)と金正恩第1書記。ハグをするなどして親密さをアピールした(写真:AP/アフロ)

10月10日は北朝鮮労働党創設70年記念日だった。平壌では近年例を見ない大規模な祝賀行事が行われた。なかでも、軍事パレードは壮観だった。金正恩第1書記自らが、さる9月3日北京で行われた抗日戦争勝利70年記念の軍事パレードより大規模にせよと指示したそうだ。

北朝鮮は対外的なアピールにも力を入れた。外国記者のためにさまざまな便宜を図り、パレードの状況は首尾よく各国のメディアによって報道された。70年記念行事は北朝鮮が期待したとおり、北京に負けない形で実施されたと言えるだろう。

しかし、この記念行事で注目すべきは、冷え切っていた中朝関係が修復に向けた一歩を踏み出したことだ。

中朝の関係に変化

中国は政治局常務委員の劉雲山を平壌に派遣した。10年前の60年記念の際に中国が派遣したのは呉儀副首相であり、平の政治局員であった。政治局常務委員は政治局員より格段に高い。劉雲山は中国のナンバー5だ。

劉雲山は金正恩第1書記に会見した際、習近平主席から預かった親書を手交した。10年前は、呉儀副首相が胡錦濤主席のメッセージを口頭で伝えただけであった。 

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