インスタグラム、eコマースのテストを実施中 情報筋が、構想を明かす

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フェイスブックの原動力になっているのと同じターゲティング機能が、インスタグラムにも用いられている。収集したユーザー情報を使って、それぞれに適した広告を配信しているのだ。

フィードから直接購入できるようにして、ブランドサイトではなく、プラットフォーム内部で購買行動を完結させたいと考えるのは当然だろう。モバイル広告の巨人であるフェイスブックは、この流れに懐疑的なブランドに対して、スマートフォン上のマーケティングは購入への重要なステップであることを証明しようと努めている。

モバイル環境におけるソーシャルメディアは、購入への功績をつねに認められるわけではない。しかし同社に言わせれば、モバイル環境はレジへと通じる不可欠なステップだ。そこで、「Shop Now」などの仕組みを導入して、自らの功績を明確に示せるように取り組んでいる。

フェイスブックにはすでに「ダイナミック・プロダクト広告」があり、小売業者はコンバージョン間近の層をターゲティングできる。また、モバイル版アプリには、ブランドのフェイスブックページをデジタル店舗化できる機能も設けている。

広告の雪崩、クオリティを確保できるか

インスタグラムはというと、2015年6月に「Shop Now」ボタンを実装。複数の商品画像を掲載できる、カルーセル形式の広告の提供も開始した。その一方で、すべてに開放された広告プラットフォームの開設以来、スポンサーによる投稿の質が低下している兆候も見られる。

インスタグラムはかつて、広告のクリエイティブチェックを厳密に行っていた。しかし今後、その基準を維持していくのは簡単ではなさそうだ。そうしたことから、広告業界の一部には、インスタグラムの過剰な商業化に懸念を抱く声もある。

あるトップ代理店の幹部は、インスタグラムはブランディングの場として使い、販売はFacebookに任せるのがベストだと話す。「インスタグラムがこれで落ち目になるのを見たくはない。当面、あるべき姿を維持するべきだ」。さらにその代理店幹部は続ける。「ダイレクト・レスポンス(販売)を実施するべきではない。Twitterはそれで失速した」。

Garett Sloane (原文 / 訳:ガリレオ)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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