マルちゃん正麺が「瞬間風速でトップ」の波紋 東洋水産に抜かれた日清の逆襲はあるか
コンビニのカップ麺売り場の最上段にずらりと並ぶ、“正麺”の二文字。即席麺(袋麺・カップ麺)業界2位の東洋水産が10月5日に発売した「マルちゃん正麺カップ」が、全国小売店の棚を金色に染めあげている。複数の業界関係者によると、発売直後の週、数ある競合製品を抜き去り、カップ麺市場において、トップシェアを勝ち取ったという。
「マルちゃん正麺」は2011年末、袋麺として発売され、ノンフライ麺の一大ブームを引き起こした。ノンフライ麺とは、麺の水分を油で揚げて飛ばす代わりに、熱風で乾燥させたものを指す。油を使わないため、カロリーが低く、生麺のような食感を持つことが特徴だ。
東洋水産の後を追うように、ライバルメーカーたちは相次いで、ノンフライの袋麺を発売。日清食品の「ラ王」、サンヨー食品の「頂」がそれだ。「正麺」の登場は、それまで「カップヌードル」(日清食品)に代表される、フライ麺が主流だった即席麺業界において、“マルちゃんショック”と語り継がれるほどの衝撃だった。
ノンフライ麺ブームの再来をカップで
しかし、ここ最近、業界では「ノンフライ麺ブームは過ぎて、フライ麺に消費者が戻った」との見方が一般的である。そんな中、東洋水産は4年間の歳月をかけて開発した、カップ版の「正麺」を投入することで、ノンフライ麺ブームの復活を期待する。
「もともと9月発売の予定だった。小売店からの発注が想定を超え、供給が間に合わなくなるだろうと判断し、1カ月延期させてもらった」。そう語るのは「正麺カップ」開発者の一人、即席麺部商品開発1課の神永憲課長だ。
小売店の営業で予想以上に大きな手応えを感じたため、東洋水産は販売計画を強気に上方修正した。「本当にこんなにお客様に買ってもらえるかどうか不安だった」と、神永氏は発売開始直前の心境を振り返るが、ふたを開けてみると、それは杞憂にすぎなかった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら