【産業天気図・造船/重機】世界の設備投資ブームを満喫、目いっぱいのフル操業に船価改善で「快晴」

前半も後半も、「快晴」である。
 造船重機、エンジニアリング専業会社とも両手にあふれるほどの仕事量を抱えこんでいる。三菱重工業<7011.東証>の前期受注額は、連結数字を公表して以来初めて3兆円を突破。千代田化工建設<6366.東証>の受注残も1兆円の大台に乗り、丸々2年分の仕事量を期初時点で確保した形だ。
 背景にあるのは、世界的な設備投資の大ブームだ。中東の発電・LNGプラントや海水淡水化装置、欧米の風力・太陽光発電、中国のインフラ投資に加え、国内の鉄鋼、化学向けの改造・増強工事も賑わっている。さらに、海運市況の活況を受けて、海運各社が競って新造船を発注し、船台は4年先まで埋まっている。受注環境の好転から受注採算も着実に改善しており、資材高もむしろ受注単価引き上げの”支援材料”となっている。
 各社の”余裕”ぶりを示すのが、今期の想定為替レートの水準だ。三菱重工は1ドル=112円、川崎重工業<7012.東証>が1ドル=110円の前提。増額修正因子が予めビルトインされている。
 さすがに、今期の新規受注は横ばい圏か微減を想定している会社が多いが、それでも、歴史的な高水準が続くことに変わりはない。今年度はもちろん、来年度上期までは目いっぱいのフル操業が続くことになる。とりわけ船舶は、過去、低船価で受注した案件の構成比が大きく下がり、今期収益の押し上げに貢献する。
 反対に、目先の収益にとってマイナスに働くのが航空機部門だ。B787、CX(防衛省の次期輸送機)、PX(次期哨戒機)の開発が完了し、いよいよ来年度にかけて本格生産に移行するが、航空機部門は多大な開発費、償却負担が先行するため、「数年間は収益的には厳しい」(三菱重工)。全体の収益によって、先行投資部門の負担を悠然と包み込んでしまえるところに、造船重機の現在の「絶好調」ぶりの一端が示されている、と言えるかも知れない。
【梅沢正邦記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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