検証・米国経済は改善していない

1~3月の世界的な株価上昇、リスク資産への投資資金の戻りを支えたのは、日米欧3極の中央銀行による金融緩和、それに、欧州債務問題による金融危機の懸念が後退したこと、米国の景気回復を示す指標が続いたことである。

欧州の債務問題については、ECB(欧州中央銀行)による昨年12月と今年2月の計1兆ユーロの大量資金供給で危機を封じ込め、PSI(債務交換による民間の債務負担)を含む第2次ギリシャ支援の決着、債務問題国への救済基金ESM(欧州安定メカニズム)の発足へ向けた動きにより、危機の連鎖を防ぐ体制が整いつつあると評価された。

しかし、3月後半になると、スペインの国債入札の不調をきっかけに、早くも株価はピークアウトし、反落した。金融危機は回避できても、欧州のファンダメンタルズ(基礎的経済要因)は依然として悪い、南欧諸国の緊縮財政と経済再建は両立しがたい、という現実があらためて認識されたためだ。

一方で、もう一つの好材料だった米国の景気回復への疑念も高まった。4月6日の米国の雇用統計が期待を裏切るものであったことが、市場のマインドの悪化に拍車をかけている。

第1四半期の景気指標に暖冬によるカサ上げ

まず米国の主要な景気指標を点検してみると、実質GDP(国内総生産)成長率は2011年の第3四半期、第4四半期と堅調に推移した(図)。12年第1四半期についても、年率換算で2%の伸びが予測されている。


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