ウォルマートの価値は、アマゾン以下なのか 株式時価総額でついに逆転

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店舗受取を勧めることがウォルマートの利益を押し上げると、イングリエニー氏も同意する。また、ウォルマートのサイトアプリは、買い物客に対し、最寄りの店舗に欲しい商品が置いてあるかを、うまく知らせているとも話した。「ウォルマートは、サイト上の多くのことを簡略化し、最低限に抑えています。サイトの見栄えや利用感覚から分かります」。

ECサイト、Amazon並みのUXを目指す

しかし、前出のUX専門家、イングリエニー氏はウォルマートコムには、Amazonのように「ワンクリック注文」機能がないため、習慣性の薄い客を遠ざけてしまう可能性がある、と危惧する。デジタルエージェンシーのビッグ・スペースシップ(Big Spaceship)で、UX部門のアソシエイト・ディレクターを務めるジェレミー・ベルチャー氏は、「スピードを重視しなくてはならない」と語った。Amazonの統計によると、Amazonのサイト読み込み時間が100ミリ秒遅くなると、売り上げが1%減少するという。「サイトの読み込み時間はとても重要だ。ウォルマートやAmazonの規模だと、スピードが遅くなるだけで大損失を生んでしまう。UXの向上のためにも、読み込み時間を改善した方がいい」。

一方で、ウォルマートの顧客基盤はテクノロジーに疎い人たちが多いと、リフェル氏は指摘している。もっと言えば、Amazonを利用するような都市部の生活者ではなく、郊外や農村に居住し、自動車で数十分かけてウォルマートの店舗を訪れる人たちと見られる。実店舗を好む、これらの人々は、Amazonなどのオンラインショッピングを好む顧客層とは異なるかもしれない。したがって、ウォルマートのUX施策は、既存顧客には響いても、Amazonを好む都市中間層に響かない可能性がある。

eコマース単体でみれば、ウォルマートコムの売り上げは120億ドル(2014年)、Amazonは890億ドル(同)と大きく溝を開けられている。前出のニューヨーク・タイムズによると、投資銀行モルガン・スタンレーの小売業界アナリストであるシメオン・ガーマン氏はウォルマートのビジネスモデルに悲観的だ。「小売のインターネットへのシフトは巨大な変化だ。ウォルマートに限ったことではない。すべての小売企業が変化しようとしているが、ロードマップは存在しないのだ。ウォルマートはただ単に最大手であるだけだ。あるいは規模と流通の効率性に根ざした巨獣だ。ただし、そのモデルそのものが溶けつつある」。

(吉田拓史、小嶋太一郎:参考記事)
Photo by Mike Mozart (CreativeCommons)

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