セルジオ越後、日本代表の課題をなで斬り! シリア戦でチーム力の劣化が露呈した

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イラン・テヘランでランニングするスタメン組。親善試合とはいえ、イラン戦は厳しいアウェーゲームとなることはまちがいない(写真:日刊スポーツ/アフロ)
今回の「日本サッカーの問題点を聞く」は、10月8日にオマーンのマスカットで行われたW杯2次予選のシリア戦を受けてお届けする。試合の入り方が悪く圧勝とはいい難い試合内容に、不安を覚えた人も多いのではないだろうか。

 

──ロシア・ワールドカップ・アジア2次予選のシリア戦が行なわれ、日本が3-0で勝利しました。これで日本はシリアをかわしてグループEの首位に浮上したわけですが、この試合について、どんな感想を持ちましたか。

すっきりしない、というのが正直な感想です。前半はシリアの激しいプレスに手を焼いて、見せ場らしい見せ場をほとんど作れませんでした。後半になって岡崎(慎司)がPKを獲得し、先制してから日本のペースになったものの、もしPKを奪えていなかったら、どうなっていたか分からない。それ以前に、前半はシリアのほうが決定的なチャンスを作っていましたから、前半に失点していたら結果は反対になっていたかもしれません。

後半、シリアが前掛かりになって、日本はカウンターからチャンスを作れるようになりましたけど、外した場面も少なくなかった。シリアが疲労のために運動量の落ちた後半半ば過ぎにならなければ、追加点、ダメ押し点を奪えなかったのは、残念でした。

変わらない主力の顔ぶれ

──苦戦したのはなぜでしょう?

フィジカルのぶつかり合いを前面に押し出してきたシリアに付き合ってしまったからでしょう。試合の入り方が非常に悪く、ガツン、ガツンと来るシリアに球際での戦いに敗れ、攻撃を組み立てられませんでした。ロングボールを放り込んだり、工夫のない縦パスを入れたりしては跳ね返され、なすすべがありませんでしたね。

前半は本田(圭佑)も香川(真司)も仕事ができなかった。本田は何度もインターセプトされたり、潰されたりしていたし、香川も試合の流れから消えていました。

後半10分に先制してリードを奪うと、ゆとりができたのか、ようやく攻め急がず、ショートパスで相手をかわし、ペースをつかめるようになりました。本田も中に入ってきて崩しにかかわれるようになったわけですが、なぜ、それを前半からやらないのか。

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