中国人がドラッグストアにハマる本当の理由 台湾カリスマ案内人、日本製品の魅力を語る

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鄭さんの友人宅に帰国後届いた段ボール

私自身、来日時はそのように買い物をしています。前回の来日時も、カート3台分の買い物をして、ホテルに届けてもらった。荷物を運ぶホテルスタッフはたいへんで、ヒーヒー言っており、台湾のニュースでは、「日本のホテルに迷惑をかける台湾人」として取り上げられた。これが台湾人ならではの”爆買い”の手段だ。

――中国人は同じ方法を取らないのですか。

中国人は、ネットに規制がかかっていて、一部の日本のサイトにアクセスできないことがある。だから、ホテルの山積み段ボールは、100%台湾人の仕業なんです。

ホテルのキャパシティが不足している

――薬や化粧品をネットで買うことに抵抗はないのでしょうか。使用感がわからなくて不安ではないですか。

抵抗は全くない。中国人も台湾人も、日本人よりもずっとネットショッピングには慣れている。仕事中にネットサーフィンをして、購入したものを職場に届けてもらう、そんなこともよくある。化粧品をネットで買う場合は、リピーターであることが多いので、問題ない。ネット通販の最大のメリットは、値段の比較ができることで、一番安いところで賢く買う。

――現在、株式市場の暴落により、中国人の消費が低迷するのではないか、と懸念されています。鄭さんのお考えは。

今のところ、その気配はないように思う。ブームはしばらく続くだろう。2011年に日中・日台間のオープンスカイ協定が締結されて以降、LCC(格安航空)などの定期便がどんどん増えているが、それでも満席となっている。台湾人の来日頻度は中国人よりずっと多く、年に2回来日するのは普通で、私の読者には、年に5回くらい日本へ行く人も珍しくない。

欧米人は、風景やグルメを楽しめればそれでいい。けれど、中華圏の観光客はそれに満足できない。買い物をしなくちゃ。日本に行って、帰ってきた途端、すぐに日本で買い物したくなる。一種の病気だ(笑)。

課題は、日本のキャパシティの不足だ。私は月1回ペースで来日しているが、そのたびにホテルの予約がたいへんになっていて、価格も倍くらいに上がっている。これを解消することが、“爆買い”を継続するには最も必要なことだろう。

印南 志帆 東洋経済 記者

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いんなみ しほ / Shiho Innami

早稲田大学大学院卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者、東洋経済オンライン編集部、電機、ゲーム業界担当記者などを経て、現在は『週刊東洋経済』や東洋経済オンラインの編集を担当。過去に手がけた特集に「会社とジェンダー」「ソニー 掛け算の経営」「EV産業革命」などがある。保育・介護業界の担当記者。大学時代に日本古代史を研究していたことから歴史は大好物。1児の親。

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