銀座に来る中国人は、もう富裕層だけじゃない

旅行客の"爆買い"現場を直撃してみた

銀座の買い物ツアーの出発点は銀座8丁目。バスを降りた旅行客は、ラオックスやユニクロ、三越をめざす
中国人旅行客による“爆買い”が空前の規模になっている。今年4~6月の訪日外国人による旅行消費額は前年同期比8割増の8800億円余りに達したが、その4割を占めるのが中国人だ。1人当たりの旅行支出は28万5000円と、台湾人の2倍、韓国人の4倍にものぼる。4人家族だと消費額は100万円を超す。
6月には過去最高となる46万人(前年同月比167%増)の中国人が来日し、全国各地で莫大なお金を落とした。だが、爆買いの実態は必ずしも知られておらず、どんな商品がなぜ売れているのかについては、販売している店自体もつかみ切れていない。
そこで、中国人向けマーケティング会社を経営する徐向東・中国市場戦略研究所代表とともに、東京・銀座と新宿で中国人旅行客にインタビューを敢行。彼らの購買行動を検証してみた。徐さんは『中国人にネットで売る!』(2011年、東洋経済新報社刊)、『「爆買い」中国人に売る方法』(2015年6月、日本経済新聞出版社)を上梓。中国人向けマーケティングに関する講演活動も多い。中国人の消費行動について第一人者の徐さんの目に、爆買いの実態はどう映ったのか。直撃取材は8月初旬の日曜日の午後4時30分に銀座からスタートした。

 

中国人による“爆買い”の出発点は、銀座8丁目の玩具店・博品館近辺だ。土日の昼間は、首都高速道路下のこのあたりが歩行者天国の起点となっている。中国人を乗せたバスは高速道路下の中央通りの両側に停車し、観光客をおろしている。

対応が追いつかず、試着をせずに買った……

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徐さん(左)と福建省から来た家族連れ4人。夫は医薬品販売会社を経営、妻は医師とのこと

博品館前の路上で、男の子2人を連れた30代の夫婦に聞いてみた。

「福建省から関西国際空港経由で来ました。職業は医師です」と女性は話す。正午過ぎからずっと買い物をしているという。一緒に来た夫は医薬品の販売会社を経営している。

驚いたことに、子どものおもちゃだけで1万元(約20万円、以下8月上旬の1元=20円で計算)も買ったという。ほかに子ども用のサプリメントやパナソニック製の4500元(約9万円)の炊飯器……。「サプリメントだけで6000元(12万円)も費やした」(女性)という。

共働きなので、ふだんはもっぱらインターネット通販で買い物を済ませているとのこと。「食料品や日用品以外は店では買わない」(女性)。日本での買い物体験について聞いてみると、「商品が多すぎてよくわからないまま買っている」(女性)。「百貨店では試着もできないまま、シャツを買った。サイズが合うのか不安です」という。各店舗とも中国人の店員を増やすなどの対応をしているが、急増する中国人観光客に対応しきれないようだ。

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