いすゞ自動車がアジア市場に攻勢、インドネシアへも進出

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加えて、180億円を投じ、タイでピックアップトラックの新工場建設に着手することも表明。タイをはじめ、新興国需要に対応するために生産能力28・8万台(10年度生産実績)を40万台に引き上げる方針で、12年秋までにはタイ新工場が稼働する。

モデルチェンジと生産能力の拡大は、いすゞにとってアジア市場拡大への大きな一手だ。ところが、その矢先に発生したのが10月の大洪水。同社の工場に直接被害はなかったが、10月上旬から現地サプライヤーからの部品供給が滞った。その後、部品会社と連携し、12月上旬にはフル生産まで回復。足元は減産分を取り戻すべく、稼働率を上げて生産をしている。

タイ洪水の影響で、会社側は今期の出荷台数を27・9万台(前年比3・2%減・右下図)と見込んでいるが、足元の状況を踏まえれば、昨年並み(28・8万台)までの上積みは期待できそうだ。

「D−MAX」については、天然ガス車の投入も検討されているもようだ。タイは天然ガスの産出国で、税制も優遇されている。ガソリンと比較して価格は3分の1程度。すでにタイ工場では、天然ガス仕様の大型トラックを生産している。「D−MAX」の拡充をはじめ、新興国のニーズをつかむ商品戦略で躍進を果たせるかが、今後のカギとなる。

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昨年11月発表の中期経営計画における最大の目玉は、インドネシアを新興国向け商用トラックの拠点にすると表明したことだ。

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