日本株は「米国利上げ見送り」ならどうなるか 16~17日はいよいよ米公開市場委員会

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今回のコラムでは、改めて大調整の理由付けもしたわけたが、筆者の本心は、「空売りファンドの仕掛けがハマっただけのこと」だと思っている。プログラム売買の荒っぽい値動きがそれに拍車をかけただけだ。

自民党総裁選での無投票当選が決まったことで、安倍晋三内閣の「後三年の役(戦い)」がスタートしたわけだが、大きな相場が作られる時は安定政権の時が多い。平成バブル相場も、1985年のプラザ合意での外圧が原因と言われるが、直前の中曽根内閣の5年間の安定が大きく影響していると思っている。近年まれにみる安定政権になりそうな、安倍政権とアベノミクス。本領発揮はこれからだ。

「大相場の可能性」がさらに高まる

今後の相場だが、異次元バブル大相場の可能性がさらに高まったと筆者は考える。アメリカが利上げをすると言っても、現在の通貨供給量を一気に絞り、さらに急速に吸い上げるということではない。

特に来年は大統領選挙の年である。現在の景気を維持するために、現行の通貨供給量は維持されよう。しかも、ECBや日銀の資金供給量は増えることはあっても、減る事はないだろう。中国もしかりだ。エンドレスな異次元緩和が引き起こす金融相場を考えた時、今回の波乱は、その資金供給量増額の催促相場になっただけではないか。

一方、下値で鯨(GPIFなど)は動いた。だが1万8000円は買うが、2万円は買ってくれないようだ。いったん壊れた相場の修復には時間がかかるが、予想外な戻りがあるとしたら、セントレジャーデーを終えて戻って来る外国人投資家の「大人買い」だ。

予断を許さないFOMCだが、本当に面白いFOMCでもある。今週(14~18日)の日経平均予想レンジは、1万7750円~1万9250円としたい。予想にならないくらいの広いレンジだが、1日で1300円以上も動いた翌週なので、許して頂こう。

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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