ANAのマレーシア線がJALと競合しない理由 13年ぶり再参入の狙いと課題を探る

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■成田→クアラルンプール
マレーシア航空 10:30発 16:45着
JAL 11:20発 17:45着
ANA 17:20発 23:35着
マレーシア航空 21:40発 4:05着(翌日)※週3便(月・金・土)
羽田→クアラルンプール
エアアジアX 23:45発 6:10着(翌日)
■クアラルンプール→成田
ANA 7:00発 15:00着
マレーシア航空 10:50発 19:00着※週3便(月・金・土)
JAL 22:50発 7:05着(翌日)
マレーシア航空 23:30発 7:40着(翌日)
■クアラルンプール→羽田
エアアジアX 14:30発 22:30着

JALのメインターゲットは日本人利用者

JALは、日本とマレーシア間を移動する観光客やビジネスパーソンに便利なスケジュールで「日本人の流動を念頭に置いたダイヤ設定にしている」(JAL広報部)。JALと近いダイヤを運航しているマレーシア航空も狙いは同じだろう。

ところが、ANAの運航スケジュールをみると、日本人にとって必ずしも便利なスケジュールには見えない。実際に筆者が利用した、クアラルンプール発・成田行きの初便となった9月2日のANA機内は7~8割が外国人で、日本人は2~3割しかいなかった。

成田空港での北米線への乗り継ぎがポイント

ずばり言えば、ANAのメインターゲットはもともと日本人ではなく、外国人だ。狙うのは成田を経由してマレーシアと北米を移動する利用者と訪日旅行客である。ANAが新たに就航した成田-クアラルンプール線の「搭乗率目標は8割」(ロイ・ゲイANAクアラルンプール支店長)。就航時から外国人利用者をメインに路線開設するというのは、今までの日系航空会社にはない動きである。

たとえば、ANAの便でクアラルンプールから成田へ15時に到着した利用者は、ANAが成田から飛び立つニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコなどのアメリカ東海岸・西海岸行きの便と、2時間前後の待ち時間で乗り換えることが可能だ。逆にANAの北米便から成田に到着した際のクアラルンプール線へ乗り継ぎも、比較的スムーズな時間設定になっている。

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