三菱商事のチリ巨額投資が思わぬ波紋、銅資源権益をめぐって法廷闘争へ

三菱商事のチリ巨額投資が思わぬ波紋、銅資源権益をめぐって法廷闘争へ

世界最大の銅産出量を誇る南米・チリで銅資源会社の株式譲渡をめぐる“紛争”が勃発し、日本の総合商社にも火の粉が及んでいる。

英資源メジャーのアングロ・アメリカン(以下、アングロ)が11月10日、100%子会社であるアングロ・アメリカン・スール(以下、スール)の株式の一部を三菱商事に売却。この株式譲渡が一連の騒動の発端となった。

三菱商事、4200億円投じてスール社株取得

スールは、チリ国内で銅鉱石採掘から地金の製錬まで手掛ける銅生産会社。そのスール社の株式24.5%を取得するため、三菱商事が投じた金額は53.9億ドル、日本円にして約4200億円にも上った。三菱商事のみならず、総合商社全体を見渡しても、1案件としては過去最大の投資金額だ。

三菱商事の狙いは、銅の資源権益にある。スールの主力鉱山であるロスブロンセス(写真)は、「品位が高く、埋蔵量も大きな世界有数の優良鉱山」(三菱商事)。現在、同鉱山は鉱区拡張工事の最中で、拡張後の12年には年間産出量が40万トンにまで倍増し、産出量で世界5位の銅鉱山になる。

電線などの社会インフラや電子部品に不可欠な銅は、近年、中国などの旺盛な新興国需要を背景に価格が高騰。今後も長期にわたって高値が続くと見られており、その上流資源権益を持つ企業には富が集中する。

三菱商事は、今回の株式取得でスールの期間利益の4分の1相当を連結決算に取り込むことができ、現在の銅市況を前提とした場合、連結純利益への貢献額は年間200億円前後に上ると見られている。しかも、スールは複数の未開発有望鉱区の権益も有しており、そうした鉱区をこれから開発していけば、さらなる利益拡大も期待できる。

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