軍事パレード控えた中国は「薄氷踏む思い」

「青空」のために工場の操業を停止

 8月30日、抗日戦争勝利70年記念の軍事パレードを開催する中国共産党は今年最大のイベントを控え、警備を強化する一方、プロパガンダを強めている。写真は北京市内で22日撮影(2015年 ロイター/Damir Sagolj)

[北京 30日 ロイター] - 9月3日に抗日戦争勝利70年記念の軍事パレードを開催する中国。共産党は今年最大のイベントを控え、警備を強化する一方、プロパガンダを強めている。

北京の天安門広場で行われる軍事パレードには約1万2000人の兵士が参加する予定。その大半は中国軍兵士だが、ロシアのほか数カ国の軍隊も参加する。

すでにロシアのプーチン大統領やベネズエラのマドゥロ大統領、スーダンのバシル大統領ら各国首脳が出席を表明しているが、西側諸国の指導者はほとんど参加を見送っている。

パレード当日に「青空」をつくるため、北京市は大気汚染対策として交通規制や数百キロ離れた工場の操業停止を行うなど異例の措置を取っている。

警備強化の一環として、模型飛行機の販売が禁止したり、軍事パレードが通るルート沿いに住む住民は当日に窓から外を見ないよう警告されている。市内の主要空港2つは、パレード当日は一時閉鎖されることになっている。

軍事パレードを控えた国内ムードについて、指導部の関係筋は匿名を条件に「薄氷を踏む思いだ」と語った。

「現代の日本」頭にない

中日関係は長い間、戦中・戦後の補償問題の影響を受けてきた。中国国防相の楊宇軍・報道官は先週、軍事パレードは現在の中日関係とは直接関係ないとし、「軍事パレードは特定の国を頭に置いているわけではなく、現代の日本や日本国民もまた然りだ」と語った。

しかし国営メディアは、抗日的な内容の報道を増やしている。新華社は日本兵が中国人捕虜のおなかに水を入れ、火で焼くのを見たとする衛生兵の証言など、日本の戦争犯罪を生々しく伝えている。また、日本の残虐行為とされる写真を掲載した共産党の宣伝ポスターも市内の至る所で見られる。

こうした状況は、とりわけ中国に住む日本人を心配させている。同国各地で2012年に発生した、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有問題をめぐる反日デモの記憶がいまだ鮮明に残っている。

今のところ、3年前のような反日デモが起きる兆しはほとんどないが、一部の日本人は警戒を怠らない。上海に9年間住む翻訳者の女性(45)は、軍事パレード当日には外には出ないとし「子供たちにも外で日本語を話さないよう注意する」と述べた。

こうした日本人の不安について、中国外務省はロイターに対し書簡で「法に従って、中国に住む外国人の正当な権利は守られる」と答えた。

(Ben Blanchard記者、翻訳;伊藤典子、編集:宮井伸明)

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