社員の家にイモを送ったら業績が回復した! 将を射んと欲すればまず馬を射よ

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会長がお兄さん、社長が弟さん。兄弟で経営している

言い洩らしましたが、会長がお兄さん、社長が弟さん、二人三脚で今までやって来られました。ここのトップの2人は朝が早く、会長は朝5時ごろ、社長は朝3時半には会社に来られます。

連られて男子社員も朝早く来過ぎるので、会社に入れないよう事務所を開けるのを6時にしました。それでも早く来る社員は、早朝残業扱いです(女子社員は8時半です)。

17時半には仕事を終えて「ゆう活」を推進

それでボクが男子社員に「あんたら、朝早くて大変やな」と言うと「いやぁ竹原さん、慣れたら一緒ですよ」と言います。

本社は摂津の方にありますが、朝早く会社に行こうとすると、道路がすいていて会社にスッといけます、これが9時ごろだったら交通渋滞に巻き込まれて30分余計にかかります。「朝早いと頭がスッキリしていますから、昨日の日報をつけるのもあっという間に書けます。これが前日の夕方、会社に帰ってからだと疲れてて、シンドイだけで間違いも増えます」と言われます。

そしてこの会社、17時半になると会社にいられません。全員帰らされます。子供の誕生日には、家に帰って一緒にご飯を食べることが義務づけられています。奥さんや家族を味方につけているわけです。ある意味、欧米的かもしれません。朝早く行って早く帰ってきた方が、夕食も早く片付くし、奥さんも楽です。国が最近、力を入れている朝型勤務で夕方の時間を活用する「ゆう活」(ゆうやけ時間活動推進)を、いち早く実践していたわけです。

節電、省エネもやっています。その節電で浮いた費用は、全社員に分配します。やったらやった分だけ、みんなに還元しよう、ということです。

おまけです。会長はまた「税金を多く納めることがうれしい。それは国に貢献していることや。われわれ会社は何のためにあるのか、税金を納めるためにあるねん」と言います。

「社員第一主義」だけでなく、「税金第一主義」でもあります。「税金納めるのを喜ばないかんのに、日本の経営者は税金納めるのに文句言いよる、それはおかしい」。税金イコール日本の国、国民と同義です。じつは「国民第一主義」なんです。

この会社の壁には、「明るい宣言」が貼ってありますが、その筆頭は「従業員の幸福が一番」です。これは、従業員の「家族」の幸福が一番、ということ。さらに、税金も払って国民を幸せにしてるわけです。

竹原 信夫 日本一明るい経済新聞 編集長

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たけはら のぶお / Nobuo Takehara

有限会社産業情報化新聞社代表取締役(日本一明るい経済新聞編集長)。1971年3月、関西大学社会学部マスコミ学科卒、同年4月にフジサンケイグループの日本工業新聞社に入社。その後、大阪で中小企業担当、浜松支局記者などを経て、大阪で繊維、鉄鋼、化学、財界、金融などを担当。1990年4月大阪経済部次長(デスク)、1997年2月から2000年10月末まで大阪経済部長。2001年1月に独立、産業情報化新聞社代表に。年間約500人の中小企業経営者に取材、月刊紙・日本一明るい経済新聞を発行している。
 

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