業績を良くするには、「太鼓」と「鐘」を鳴らせ 暗かったシステム会社が明るい会社に

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大阪市にあるシステム会社「ケー・エス・ディー」の小林社長(写真中央)と社員のみなさん

中小企業さんへ取材に行くと、驚かされることがいっぱいあります。玄関に大きなガンダムが飾ってあったり、ボードで「歓迎!日本一明るい経済新聞」と書いてあったりと、まあ、なんやかやと遊ばせてもらっています。 

今回取り上げる会社、玄関の受付台に小さな太鼓、そしてドアの上には小さな鐘がぶら下がっていました。

外出時には太鼓を叩く(音量にご注意ください)

「あれ、これで何しやはるんやろか?」と思っていたら、社員さんが外へ出て行く時、太鼓を「トントン」と鳴らして「行ってきます!」とあいさつ。そうしたら、中の社員さんがいっせいに大きな声で「いってらっしゃい!」と返答されました。これはすごい!

鐘・太鼓を鳴らす運動

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感心していたら、今度は営業マンが外から帰ってきて、鐘を「チンチン」と鳴らしました。すると、社員全員大きな声で「お帰り!」と一斉にコールされます。皆さん、パソコンの前で忙しく仕事をしていても、タイコが鳴ったら「いってらっしゃい」、鐘がなったら「お帰り」の大きな声。トントン、チンチンで、パブロフの犬ではありませんが、条件反射のように声を出しています。

このうまい仕組みを考えたのが、システム会社「ケー・エス・ディー」の2代目社長の小林達夫さんです。タイコとカネを使った挨拶運動は、いまや大阪では有名です。テレビでも取り上げられる一方、労務関連の専門雑誌にも掲載されています。この仕組みをまねして玄関に太鼓を置く会社が、ほかに何社も出てきたほどです。

そして小林さんが、この運動を始めたのには、じつは深い理由がありました。

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