ソニーとZMPは、ドローンでどう稼ぐのか 業務用に特化し、目標は「5年後100億円」
「成長のカギはベンチャースピリット。我々もよい刺激を受けている。このスピリッツを事業につなげることが、ソニーにとっても財産になる」
8月24日、東京・六本木で開かれた、ソニーモバイルコミュニケーションズ(SOMC)とロボットベンチャーZMPによる新会社の設立会見。SOMCの十時裕樹社長はZMPとの連携について、こう期待を述べた。新会社名は「エアロセンス」。SOMCが50.005%、残りをZMPが出資し、ドローン(小型無人飛行機)を利用したサービスを提供する。
SOMCとZMPの出合いは2014年4月にさかのぼる。十時氏とZMPの谷口恒社長が知人の紹介で出会い、会合の終わりにドローンが話題に上った。「ソニーのR&D部門でドローンを研究していたので、谷口さんに紹介したら、ぜひ共同研究しようとまとまった」(十時氏)。同年11月からソニーのドローン開発メンバーも、東京・茗荷谷のZMPのオフィスに常駐し、共同開発を進めてきた。
ZMPの強みは、人工知能や自動運転の技術にある。ソニーも、もともと犬型ロボット「AIBO」を手掛けるなど、人工知能技術を社内で蓄積していたが、「一度撤退したので、技術のリソースが不足していた」(エアロセンスの佐部浩太郎CTO)。佐部氏自身、ソニーでかつてAIBOやQRIOといったロボット開発を手掛け、その後は顔画像認識の技術開発などに携わってきた人物。新会社のCTOとして開発を主導する。
ドローンで建築現場を撮影
エアロセンスが狙うのは、ドローンの法人向け(BtoB)需要だ。機体にはソニー製の高性能カメラを搭載し、自動で飛行して撮影も行う。撮影した画像で位置を確認しながら、定められた領域内を飛行。画像はクラウドサーバーに転送され、データ解析も手掛ける。
すでに商談を行っているのは、ゼネコンやマンションデベロッパーだ。マンションなどの建設現場でドローンを飛ばして空撮し、建物の施工状況や資材の場所を確認。在庫管理、荷降ろしの効率化などにつなげることができる。
こうした業界を皮切りにビジネスを始める背景には、ZMPが持つBtoBの販路があった。
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