中国が米国を抜く日は21世紀前半に来ない--ジョセフ・S・ナイ ハーバード大学教授
もしそうだとすれば、絶対値ベースで米国が凋落するという悲観的な予想は、過去数十年の似通った見通しと同様に誤解を招くものであることが将来明らかになるだろう。
そして相対値ベースでの「他諸国の興隆」が、米国がかつてほどは支配的でなくなることを意味するとしても、それは必ずしも中国が米国に代わって世界をリードする国になることを意味するわけではない。
Joseph S. Nye, Jr.
1937年生まれ。64年、ハーバード大学大学院博士課程修了。政治学博士。カーター政権国務次官代理、クリントン政権国防次官補を歴任。ハーバード大学ケネディ行政大学院学長などを経て、現在同大学特別功労教授。『ソフト・パワー』など著書多数。
(週刊東洋経済2011年11月5日号)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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