発見!子連れ出勤のニュースタイルがこれだ オフィスの一画にガラス張りの託児スペース

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一見すると普通のオフィスだが、奥に防音ガラスで囲まれた託児スペースがある
子連れ出勤や事業所内保育所を取り入れる企業が増えている。その形態はさまざまで、各企業がそれぞれに合ったスタイルを模索中だ。「ママは戦力」として、多様な人材を積極的に採用してきたこの会社ではこの春、さまざまなライフスタイルに合わせた託児スタイルに行き着いた。

フロアの一画に設置したガラス張りの空間

新宿御苑にほど近いビルの8階フロア。何台ものパソコンが並び、デスクに向かって仕事をする人、電話で話す人……。一見ごく普通のオフィスだが、奥にあるガラス張りの一角は、喫煙スペースではない。中では、小さな子どもたちが遊んだり食事や昼寝をしたりして過ごしている。そして、そんな子どもたちをすぐそばで眺めながら母親である女性社員がデスクで仕事をしている。

防音ガラスで囲まれ、安全面も考慮されている約23㎡のこのスペースでは、子育て中の社員が子どもと一緒に働くことができる。社員でもある保育士が常駐していて、もちろん利用料は無料だ。

弁護士などのコンサルティング、マーケティングを手掛けるスタイル・エッジ。従業員95人のうち7割を女性が占める。子育て真っ最中の社員ばかりでなく、前職で妊娠がわかった直後に解雇されたという人や、妊活しながら働きたいと転職してきた人など、多様な人材を積極的に採用してきた。

子どもと一緒に仕事ができる社内スペースでの託児は、働くママを応援し、産休育休後の早期職場復帰を支援する対策として始まった「わ~ママ Style Kids」というプロジェクトだ。事業所内保育所の一つで、認可外保育施設として東京都の監督下にある。子どもたちのいるスペース内で仕事をすることもできるし、保育士に子どもを預けてオフィスフロアで通常通り働くこともできる。利用者たちに話を聞いてみた。

最初に救われたのは保育園難民だった女性社員

平沼美聖さん(31)は、1歳の子どもを連れて出勤している。出社すると保育士に子どもを預け、同じスペース内にあるデスクでパソコンに向かう。クライアントとの打ち合わせで外出することもある。当初は子どもと一緒で仕事ができるのだろうかと不安もあったが、少しずつこの状況に慣れていった。子どもたちは、自宅にはないおもちゃで遊んだり、子ども同士ではしゃいだり、天気のいい日には公園に散歩に出かけたりして過ごす。平沼さんはそんな姿を間近で見られることをありがたく感じている。

2014年2月に長男を出産した平沼さん。仕事のブランクを空けたくなかったため、産後早い段階での職場復帰を希望したものの認可保育園への入園はかなわない。認可外の保育所をいくつか見て回ったが納得できる環境の園がなく途方に暮れていた。

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