主婦の「普通の情報」に大きな価値があった マンション販売で地域のリアル情報を提供

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新築マンションの販売センターで地域の情報を届ける女性たち。縮尺の異なる地図を巧みに使って情報の整理を行っている

「ここの小学校の雰囲気ってどうなんですか?」「治安は大丈夫ですか?」「川の近くでの暮らしってどうですか?」

東京都調布市にある「パークホームズ調布桜堤通り」の販売センターの一室。「調布ママコンシェルジュ」として地域に暮らす主婦2人が、和気あいあいとした雰囲気の中、マンション購入検討者の率直な質問に丁寧に答えている。

その名も「くらしのくうき」というプロジェクト。マンションの売り主である三井不動産レジデンシャル、地元で地域女性による情報提供サービス事業を展開している非営利型株式会社Polaris(以下、ポラリス)、そして両者をつなぐリクルートコミュニケーションズとリクルート住まいカンパニーの協働事業によって生まれたサービスである。

主なマンション購入の中心層は30〜40代の子育て世代。その子育て世代が知りたい教育施設や病院施設、地域コミュニティのかかわりや生活の利便性などありとあらゆる「暮らしの情報」を、調布に暮らす女性たちから直接聞けるとあって好評を博している。

営業担当より地域女性の話を聞きたい

実際、来場総数451組のうち142組の購入検討者が「調布ママコンシェルジュ」を利用し、約53%にあたる75組が登録申し込みをするという実績も残している。

「販売の営業担当が言うと”いいわけ”に聞こえてしまうところを、ここで暮らしている人が包み隠さず実体験を話すと、すんなり受け入れてもらえるようです」と語るのは三井不動産レジデンシャルの吉村尚氏。この物件の販売責任者だ。

最寄り駅から徒歩18分、バスを利用して7分という必ずしも利便性が高いとはいえないアクセスなど、購入検討者を多少”モヤモヤ”させる要素があるのは否めない。そんなとき、購入検討者が信頼を寄せるのが「本当のところ、住んでみてどうなの?」という疑問に答える、地元に暮らす女性たちの言葉だという。

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