7月、8月の猛暑の中、1日30~40軒飛び込むドブ板営業をやりました--織畠潤一 シーメンス・ジャパン代表取締役社長兼CEO(第5回・最終回)

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 一方、サプライチェーンに関しては、ラインをストップすることなくパートナーから電子部品等の供給を受け続けることができました。先日来日したペーター・レッシャー社長兼CEOからも、引き続き日本に対する継続的なコミットメントを表明してもらっています。

エナジーとインダストリーの弊社のシェアは日本ではまだまだ小さく、これらを伸ばすことも私の重要なミッションです。震災以降、再生可能エネルギーの需要が高まっており、弊社は風力発電やソーラーの大手ですが、中長期的にはこれらの事業機会につながるとも見込んでいます。

日本そのものは成長市場ではないかもしれませんが、シーメンス・ジャパンに関しては、グローバルシェアに近づくことで、大いに上昇の余地があるとみています。まだまだ認知度が高いとはいえませんし、あらゆるステークホルダーに認められ、求められるベストな会社に育てたいと思います。

日本企業を拒んでいるわけではありません。いつか機会があればやってみたいとも思っています。ただし、その会社の成長に貢献できるのか、面白いのか、自分自身も成長の実感が得られるのかが基準となります。

やはり昔からベストな場所に行きたい、何らかの形で活気あるダイナミックな環境に身を置きたいという気持ちがあります。若い人にも、常に好奇心を持ってこもることなくチャレンジしてほしいですね。必ずしも海外に行ったり、転職をしろということではありません。好奇心を持って、刺激や知識、スキルなどが得られて、成長が出来るような環境に自分を積極的に投じてほしいと思います。

(撮影:梅谷 秀司)

おばた・じゅんいち
 1963年3月23日、横浜生まれ。日本で小学校を卒業後、中学1年から2年間をイランの首都テヘランのアメリカンスクールで過ごした後、米国ジョージア州の公立高校を首席で卒業。マサチューセッツ工科大学(MIT)で電気工学学士号・修士号取得後、86年7月リクルート入社。リクルートでは情報ネットワークサービス事業部門にて新規サービス開発を担当し、FNX(ファクシミリ同報サービス)事業を立ち上げる。91年MITスローンスクールでMBA取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。ロサンゼルス・オフィス勤務に次いで、東京オフィスにて、主にエレクトロニクス、テレコム、ヘルスケア企業の戦略プロジェクトに携わる。99年、ゼネラル・エレクトリック社(GE)に入社し、GEメディカル・システムズ−アジアの事業開発本部長、CT事業本部長、サービス事業統括副社長、日本GEプラスチックス社長等を歴任。2005年コヴィディエン社(旧タイコヘルスケア)にタイコヘルスケアグループジャパン代表取締役社長として入社し、06年10月より日本、アジアパシフィック、東欧・中近東を統括するInternational President 兼 日本代表。11年1月より現職

■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・経営者JP主催のセミナー「トークライブ・経営者の条件」との連動企画です。
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