1泊27万円!知られざる「超豪華病室」の世界 医療保険の入院給付金では賄えない
食事は一般病棟と同じだが、キッチンで簡単な食事を作れる。バスタブ付き浴室、入院患者の秘書などのための控え室もある。照明は控えめで、採血などのときにはベッドの上の処置灯を付け、明るさを確保する。
A個室を利用するのは、裕福な医師や中小企業の経営者が多い。「がんセンター」という名前から、入院していればがんに罹患していることが知られてしまうため、政治家、芸能人や大企業の社長は少ない。だが、国内最高峰のがん治療の拠点とあって、患者は全国から集まってくる。
乙女心をくすぐる産婦人科
ところ変わって、東京都武蔵野市吉祥寺の水口病院。産婦人科を中心に、療養病床や在宅診療も手掛けている、町中の病院だ。
外観は落ち着いた茶色でごく普通だが、一歩足を踏み入れればロマンチック趣味の極みと言うべき、乙女心をくすぐる世界が広がっている。アロマが香る待合室、南仏プロヴァンス風のレストラン(出産後に家族とフルコースのディナーが食べられる)を通り過ぎ、産科の病室に案内された。水口病院の産科に来るのは、アフタヌーンティーやフルコースのディナーなどで祝福感を味わうことを望む、比較的若い妊婦が多い。
まずは最も豪華な特別室「フレンチモロカン」(1室、差額ベッド代1日3万5000円、税込み)。目のくらむようなチェック柄の床に、ターコイズブルーの壁。パリジェンヌをイメージした部屋にモロッコ風のテイストを取り入れた、非常に個性的な病室だ。ワンルームアパートほどの広さでこぢんまりとしている。
特別室のほかには、産科において日本で初めて天蓋付きベッドを導入した「フェミニン」という個室(5室)や、ベッドの布やカーテン、壁紙などがすべてファッションブランド「ローラ・アシュレイ」のもので統一された「エレガンス」という個室(2室)、現代風のインテリアの「モダン」(4室)がある。1日の差額ベッド代は、部屋の大きさに応じて2万5000円と2万2000円の2段階。
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