あの保険の加入基準が明確に示されない事情 引き受けを断られる病歴・通院歴とは?

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ネット手続きで簡単に申し込めると思ったのに…(写真:xiangtao/PIXTA)

今年3月、胸に軽い動悸を覚えた記者は、ある総合病院の循環器内科で心電図の検査をした。不整脈の所見があり、その日のうちに24時間の心臓の状態をチェックする「ホルター心電図検査」を受ける。結果は不整脈が一定時間発生しているが、特に緊急で治療を要するものではないとのことだった。2カ月後の再検査では不整脈は発生せず、経過観察でOKということになった。

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そのほかの健康診断の各種数値に異常はなく、今まで病気で入院・手術などしたこともない。健康には自信があった記者は6月中旬、年初から検討し保留になっていた定期(死亡)保険への加入を申し込む。インターネットで契約できるA生命保険会社だ。

自宅のパソコンから手続きを開始したのが日曜の夜9時ごろ。住所・氏名・生年月日・職業・年収・メールアドレスなど基本的な情報を打ち込んだ後、健康状態に関する質問に答える「告知書」に、身長・体重・障がいの有無、5年以内の疾患、3カ月以内の診察・検査・治療歴などありのままを記入した。

当然ながら不整脈のことも正確に告知。最後に保険料決済用にクレジットカードの番号まで入力を求められた。この間、初めてのネットでの手続きということもあり、1時間ほどかかった。

引き受けできない理由は「答えられない」

翌月曜日の11時前。A生命保険会社からメールが届いた。「定期(死亡)保険は引き受けられない」という謝絶の通知だった。理由はいっさい記載されていない。納得のいかない記者がコールセンターにすぐに電話をして理由を聞いたところ、「引き受けできない理由についてはお答えできません」と冷たく断られた――。

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