アスクル、実は「個人用通販」も順調だった 主力のオフィス用品も好調、V字回復に

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2012年秋からスタートしたロハコは、2014年4月に累計利用者数が100万人に達している。その後、会員数の拡大ペースを上げ、この7月には200万人を突破した。

利用者が広がっている背景には、取り扱いカテゴリーを拡充させていることがある。2013年12月に医薬品専門店を開設したのを皮切りに、2014年8月には酒類販売免許を保有する会社をM&Aで取り込み、酒類販売を可能にした。また、今年4月には化粧品の取り扱いを開始している。

そのほかにも、データ分析に伴う緻密で効果的な値付けに加え、メーカーと組んだほかでは手に入らない商品、たとえばキリンビールと共同開発した限定商品「キリン オフホワイト」などを取りそろえていることも、利用者を引きつける魅力になっているようだ。

オフィスでも新たなターゲットを取り込み

オフィス向け通販は、順調そのものだ。3度に渡る価格改定後も客足はすぐに戻り、景況感の回復も相まって、この部門の売上高は前期比6.4%増の2568億円、営業利益も同43.3%増の103億円と拡大を続けている。

なかでも建設・製造業向けに発刊した新カタログと、医療・介護分野向けの商品拡充が奏功した。両分野だけで新規顧客が15万社も新たに加わった。医療・介護分野の顧客増大には予想外の効果もあった。専門用品だけでなく、業務用洗剤やペーパータオル、トイレの消臭剤など、生活用品が大きく伸びているのだ。こうした現場では洗濯、掃除も重要な仕事。機動的な価格戦略も当たり、ついで買いの需要を喚起することに成功した。

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