愛するわが子が「お荷物」になってしまう日 負担は共働き夫婦の妻ばかりに

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あんなにかわいいわが子なのに…(写真 : cba / PIXTA)
「37.5℃」は子どもを保育園に預けて働く共働き夫婦にとっては、なじみのある数字だ。通常は健康な子どもが通う場所。だから、子どもの体温が微熱と呼ばれる37.5℃のボーダーラインを越えると、保育園は子どもを預かってくれない。預けた後に発熱してしまったら、親はたとえ仕事中でも子どもを迎えに行かなくてはいけなくなる。保育園で預かれない理由は、「ほかの子どもへの感染防止」と「保育園のリスクマネジメント」であり、法律で決められているわけではない。
TBSテレビで7月9日(木)よる9時からスタートする連続ドラマ『37.5℃の涙』は、子どもが熱を出したときにどうしても仕事を休めない親に代わって、自宅に訪問して子どもの世話をする『病児保育士』を主人公にした連続ドラマ。主人公の目線を通し、共働き夫婦にとって何ともやるせない問題にも切り込んでいる。
ドラマ内で描かれているテーマのひとつは、「愛する子どもが時に親にとっての荷物になる」ということ。ショッキングな響きだが、実は意外に身近なことでもある。ドラマの制作にあたって取材を重ねた担当プロデューサーが、目の当たりにした現実をつづる。

 

私自身は子どもがいないのだが、子どもは好きで、子どもが欲しいと望んで授かった人であっても、「子どもが荷物になることがある」という事実がとても意外だった。恥ずかしながら『37.5℃の涙』の原作漫画を読むまで、「37.5℃以上の熱が出ると保育園で子どもを預かってもらえない」という子育ての常識さえ知らなかった。

「37.5℃の壁」とはいったい?

たとえば、経済的負担とか睡眠不足といった物理的な負担で、子どもを荷物に感じてしまうことはあるかもしれない。一方で、子どもの熱が37.5℃を超えるたびにお迎えコールで呼び出されて、自分自身が職場のお荷物になってしまう、という社会でのより具体的なレベルの出来事は想定外だった。この「37.5℃の壁」について、保育園に子どもを預けた経験がなかったり、子どもがいなかったりすると、知らない人も多いのではないだろうか。

漫画をきっかけに仕事と育児を両立している人に取材したり、現状を調べていったりするうちに、現在子育て中の人やその周りが抱えている困難を他人事とは思えなかったし、情報として一般に知ってほしいと思い、ドラマ化を企画した。さまざまな「子どもが荷物になる」ケースを物語の中で描いている。

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