消費者金融、「冬の10年」は終わったのか 大手3社に業績回復の兆し

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縮小
業績がようやく底を打ってきた

10年にわたって縮小の一途をたどってきた消費者金融大手が、反転攻勢に転じている。利息制限法の上限金利を超えて債務者から得ていた「過払い利息」の返還請求件数の高止まりは続いているが、2014年3月期のアコムに続いて2015年3月期にはSMBCコンシューマーファイナンスのプロミス事業でも営業貸付金残高が12期ぶりのプラスに転じるなど、回復の兆しも見え始めてきた。

専業大手3社(アコム、SMBCコンシューマーファイナンス、アイフル)および新生銀行(レイク事業を運営)の2015年3月決算を元に業界の動向を分析してみた。

広告宣伝効果で新規顧客は増加

各社とも、積極的な広告宣伝費の投下によって、新規顧客の獲得は順調に増えている。主力の無担保ローンの新規顧客獲得件数の伸び率では、事業再生ADRが終了したアイフルの前期比30.8%増を筆頭に、アコム(同13.8%増)、プロミス(同3.7%増)、レイク(同1.9%増)などと、各社とも増加を実現。新規顧客は1件当たりの貸出余力が比較的大きいことから、主力の個人向け無担保ローン残高でも4社そろって前期比増となった。

広告宣伝については、レイクによるアイドルグループAKB48の起用など、積極的なテレビCMに加えて、新規顧客の獲得増に合わせて各社とも成功報酬型のWEB広告費が急増。ストーリー仕立てのコマーシャルを展開するプロミスなど、交通広告での露出も目立っている。

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