三菱UFJ、「純益1兆円の快挙」後にはハードル

2016年3月期の純益が反落見通しの理由

2015年3月期に純益1兆円を超えたが、2016年3月期は1兆円割れの減益計画を掲げる(撮影:今井康一)

国内金融機関初の1兆円超えである。2015年3月期、三菱UFJフィナンシャル・グループの連結純利益は1兆0337億円に達した。残る2メガバンクの連結純利益は三井住友フィナンシャルグループが7536億円、みずほフィナンシャルグループが6119億円。2位に2800億円以上の大差をつけたことになる。しかも2メガは1割前後の減益(三井住友が9.8%減、みずほが11.1%減)であり、三菱UFJの5.0%増益は光る。

明暗を分けたのは海外展開だ。三菱UFJは5000億円超を投じて買収したタイのアユタヤ銀行が2015年3月期から初めて連結化。純利益を382億円押し上げた。このほか、米国の商業銀行・ユニオンバンクを買収した米国子会社が892億円、三菱UFJが21%出資する世界的金融機関モルガン・スタンレーも748億円、純益で貢献した。海外グループ会社が稼ぐ利益は、三菱UFJの純益1兆円の約2割に及ぶ。

他の2メガで海外の大手銀行を買収して子会社化した例はなく、この違いが三菱UFJ独り勝ちの構図を生んだ。なお、連結純益から単体純益を引いた差額は三菱UFJ4803億円、三井住友2676億円、みずほ2629億円。三菱UFJは海外事業のほか、信託銀行、証券、消費者金融の利益貢献も大きく、収益の多様化も進んでいる。

3メガのうち、今期は三菱UFJのみ純益減

だが、今後に関しては課題も残る。まず、今期の利益計画について。三菱UFJの今2016年3月期の純益計画は8%減の9500億円。三井住友が7600億円へ0.8%増、みずほが6300億円へ2.9%増と、いずれも小幅とはいえ増益を見込んでいるのに対して見劣りする。「市場関連収益の減少を見込む」(三菱UFJの平野信行社長)ことが主因だ。

2015年3月期決算では私募投信売却益やETF売却益なども含め、市場部門で4000億円以上の営業純益を稼いだ。2016年3月期はこれらの売却を減らす予定で、1000億円以上の減益要因になる。さらに主力の国内預貸金利益も下降が続く。

貸出残高は増えるものの、利ザヤがなお低下。利回りの低い大・中堅企業向け貸し出しが増える一方、利回りが比較的高い中小企業向けはまだ減少する。中小企業向け融資の多い三井住友よりも貸出利回りの低下は厳しくなりそうだ。

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