日本のクレジットカード情報が狙われている

オリンピックに向けてPOS端末のIC化が急務

POS端末のIC対応が課題になっている(Graphs/PIXTA)

2020年の東京オリンピック開催を前に、クレジットカードをより安全に使える環境整備を目指して、業界横断的な協議会が発足した。「クレジット取引セキュリティ対策協議会」で、3月25日に第1回会合を開催。クレジットカード各社のほか、決済代行業者、大手流通企業、電機メーカーなど、カード決済にかかわる事業者が参加した。

傘下のワーキンググループで月に1~2度の会合を重ねたうえで、①カード情報の保護、②カード偽造防止対策、③不正利用対策の3つのテーマについて安全性強化のための具体的な方策を打ち出す。協議会には経済産業省がオブザーバーとして参加し、事務局は日本クレジット協会が務める。

これまでもクレジットカード決済の安全性向上については、日本クレジット協会がカードのIC化の目標を定めるなどの取り組みを進めてきた。今回の協議会のテーマとして注目されるのは、クレジットカード決済で用いられるPOS(販売時点情報管理)端末のICチップ対応の推進だ。

POS端末を通じたクレジットカード決済は全体の7~8割を占める一方で、ごく一部の百貨店や大手家電量販店を除き、ICチップ搭載のクレジットカードに対応していない。そのため、業界横断的な協議会を通じてPOS端末のIC化が進むことになれば画期的だ。

米国でPOSシステムの被害が多発

日本ではあまり知られていないが、クレジットカード先進国の米国では2013年から翌年にかけて、小売店などの決済端末を含むPOSシステムから大量のクレジットカード情報が漏えいする事件が多発している。

最悪の被害となった大手流通業ターゲット社の事例では、約4000万人分のカード(クレジットカードおよびデビットカード)情報が何者かの手によって盗み取られた。同社はクリスマス商戦時期に顧客離れに見舞われたうえ、チーフインフォメーションオフィサー(CIO)および最高経営責任者(CEO)が引責辞任に追い込まれた。偽造被害の賠償を求める訴訟にも直面している。

米国では大手百貨店のニーマン・マーカス、ディスカウントストアのKマート、ホームデポ、大手ホテルチェーン「マリオット」を運営するホワイト・ロッジングなどでもPOSシステムからのクレジットカード情報の大量漏えいが相次いでおり、大きな社会問題になっている。

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