住みよさランキング「安心度1位」の都市は? 部門別「利便度1位」は4年連続で野々市市に

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昭和のレトロな雰囲気を残す倉吉市の町並み(写真:L-HOPE / PIXTA)

印西市(千葉)が4年連続で総合トップとなった「住みよさランキング2015」では、「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」「住居水準充実度」の5つの観点で指標を選び、総合順位を算出している。今回はその5部門の中から「安心度」「利便度」のランキングについて、詳細をご紹介しよう。

「安心度」は西高東低、トップ10に熊本から4市

まず福祉の充実度などを示す「安心度」では、倉吉市(鳥取)が昨年に引き続き1位となった。

倉吉市は「高齢者人口当たりの介護施設定員数」が全国1位、「人口当たり病院・一般診療所病床数」も46位と、いずれもトップクラスにある。昨年より算出指標に追加した保育所関連のデータ(待機児童数調整済み「0~4歳人口当たり保育所定員数」)が、昨年44位から今回は72位と順位を下げたが、それでも高水準にあり大きな影響はなし。一昨年の56位から昨年は168位まで後退した「15~49歳女性人口当たり出生数」も、今回は69位へ再び浮上し、地位を固めた格好となった。

2位には、一昨年の2位から昨年9位へと後退した由布市(大分)がカムバック。保育所定員数では324位・偏差値50.9と全国平均水準だが、介護施設定員数で全国11位、大分大学付属病院が立地することもあり病院・診療所の病床数でも同26位と、ともに全国トップ30位内という高水準にある。

昨年の順位後退の要因となった出生数(一昨年78位→昨年177位)だが、今回は再び72位へ回復し2位カムバックに寄与した格好だ。

3位以下は、多少の順位の変動は見られるものの、顔ぶれは昨年とほとんど変わっていない。ここで目立つのは10位内に九州の都市が5市ランクインしていて、このうち4市が熊本県の都市だということ(6位天草市、7位阿蘇市、8位人吉市、9位水俣市)。これら4都市は病床数の水準が非常に高く、いずれも全国トップ10内にある。

算出のベース資料である厚生労働省「医療施設調査」では、人口10万人当たりの病床数は全国平均1238.7床に対し、熊本県は1964.1床と高知県、鹿児島県に次いで全国3位と高水準だ。

11位の嘉麻市(福岡)は昨年53位から大きく順位を上げた。介護施設定員数で全国39位、病院・診療所の病床数でも同101位と上位に位置していることに加え、保育所定員数が昨年263位から今年は131位と順位が大幅に上がったこと、全国平均レベルを下回り(偏差値49)、昨年392位だった出生数が今回は106位(偏差値60)へと劇的にアップしたことが大きな要因だ。

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以下、上位30位までをみてみると、近畿以西の都市が24都市と大半を占め(うち15都市は九州・沖縄)、圧倒的な西高東低の構図となっている。前述のとおり、西日本地域では人口当たりの病床数が多いこと、そして、とくに九州・沖縄地方で出生率が全国平均を上回っていることなどが背景にある。

西日本以外では、3位の野々市市、5位の七尾市、18位の加賀市、30位の能美市と石川県の都市が4市も入っており、関東地方からは病床数、介護施設定員数の両方で全国トップクラスの青梅市(東京)が29位にランクインした。

続いて、「利便度」の詳細なランキングを紹介しよう。

次ページ「利便度」のトップ30を大公開!
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