住みよさランキング「安心度1位」の都市は? 部門別「利便度1位」は4年連続で野々市市に

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北陸鉄道石川線の「押野駅」(写真:ワン太郎 / PIXTA)

「利便度」は野々市市(石川)が4年連続トップ

野々市市(石川)が1位となり、2位の新宮市(和歌山)とともに、4年連続でその座を守った。また3位の名取市(宮城)から7位の下松市(山口)まで昨年と順位の変動はなく、さらに昨年10位の直方市(福岡)が8位となる一方、昨年8位の習志野市(千葉)が10位と順位が入れ替わっただけで、トップ10の顔ぶれは昨年とまったく変わらなかった。

改めて1位の野々市市は、金沢市の南部に隣接し金沢市中心部から一体となった市街地が市域全体に形成されている典型的なベッドタウン。また金沢工業大学などが立地する学園都市としての性格も持っており、若い世代が多いのも特徴だ。

自動車による交通アクセスがよく、国道8号線などの幹線道路沿いには「イオン御経塚ショッピングセンター」をはじめ、大型の家電量販店、ホームセンターなどが建ち並んでおり、市内のみならず周辺からも多くの集客がある。そのため「小売業年間販売額」と「人口当たりの大型小売店店舗面積」の両指標ともに全国1位と他都市を圧倒している。

2位の新宮市(和歌山)は、紀伊半島の南部に位置し、和歌山市のほか隣接する三重県・奈良県の中心部からも大きく離れている。周辺市町村に大きな商業施設が少ないこともあって、紀伊半島先端地域や三重県南部を含む熊野地方の中心都市としての性格を持つ。

そのため、周辺地域も含め人口規模はそれほど大きくないにもかかわらず、大型小売店店舗面積では全国1位、小売業販売額も34位と全国トップクラスにある。

上位で大きな順位変動があったのは20位の天童市(山形)で、昨年の108位から大きく順位を上げた。2014年3月14日に「イオンモール天童」が開業したことで、大型小売店店舗面積の順位が昨年の155位から24位へと押し上げられたことが要因だ。ちなみに今年3月には、この「イオンモール天童」に隣接するJR奥羽本線に、新駅として「天童南駅」が開業している。このように、このカテゴリーは指標の性格上、大型商業施設の開業(撤退も)により順位が変動しやすいという特徴がある。

加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

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かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

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