ガチ中華で人気「白酒」中国の生産地で見た光景 日本でも知名度高まる白酒、どんな製造工程?

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茅台鎮において圧倒的な存在感を放っているのが、貴州茅台酒股份有限公司(以下、貴州茅台)だ。600社ある茅台鎮だけでなく中国の白酒市場で売り上げトップを誇る国有企業である。

方さんに車で貴州茅台の本社の前に連れて行ってもらったが、他の会社と比較しても規模が段違いだった。

中国現地の報道によると、貴州茅台では4万人の従業員が働いていて、平均年収は31万元(約620万円)以上あるそうだ。

貴州省のGDPは中国でも下から数えられるほど低く、省都の貴陽でも15元(約300円)あれば、ローカルの麺料理が食べられるくらい物価が安い地域だ。そんな中で平均年収31万元以上の企業で働けるというのは、かなりの高収入かつエリートと言っていいだろう。

白酒 ガチ中華 阿生
貴州茅台の本社前(写真:筆者撮影)

そうこうしているうちに、方さんの会社の白酒工場に辿り着いた。貴州老掌柜は1984年の創業で、茅台鎮では比較的初期から白酒の醸造を行っている歴史ある民間企業だ。

白酒企業トップ10に入る会社の工場の中

従業員は170名程度であり、貴州茅台と比較すると小規模であるものの、茅台鎮の数ある白酒企業の中でトップ10の売り上げを誇っており、現地ではそこそこ名前が知られている。

白酒は小麦や高粱(コーリャン)という稲科の植物を発酵させて作られる蒸留酒であり、アルコール度数が40〜70度と高いのが特徴で、製法や原料によって醤香(ジャンシャン)や濃香(ノンシャン)、清香(チンシャン)など数種類に分けられる。

白酒 ガチ中華 阿生
白酒の原料になる高粱と小麦(写真:筆者撮影)

茅台で作られる白酒の多くは醤香型で、上品な香りと濃厚でしっかりとした味わいが特徴だ。

白酒はウイスキー同様、ブランドや製造年数の長さによって値段も大きく異なり、安いものでは数百円、高いものだと数万円以上する。貴州老掌柜の白酒はボトル1本あたり60元(約1200円)から100元(約2000円)の商品がボリュームゾーンとなっていて、比較的安価で飲めるブランドだ。

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